一条天皇と中宮彰子、ついにその時がやってくる

I:奥手で奥ゆかしい中宮彰子に恋愛指南する藤式部を視聴者の方はどう受け止めたでしょうか。中宮彰子が突如、「お慕い申しております」と、不器用ながらストレートに思いをぶつけます。ガツンとうたれたような一条天皇(演・塩野瑛久)の表情に、私もガツンとうたれました。一条天皇は数秒もの間、唖然としていましたが、私も同じようにガツンと来て数秒固まってしまいました。こんな場面が大河ドラマでみられるとは……。

A:後宮では女房たちがせわしなく帝のお成りの準備をしていきます。ああ、まるで600年以上後の江戸城大奥のような、いや、大奥と比較するなど恐れがましいほどに、雅な空気に包まれていました。新しい夜具を運び、塵を払い、中宮彰子の髪を梳かす。まさに「THE後宮」。

I:衣に香を炊きしめている場面もありました。香ばっかりはさすがに想像するしかないのですが、一瞬、得も言われぬ香が鼻腔をくぐったような錯覚を覚えました。

A:そして、ついにその時がやってきます。一条天皇と中宮彰子のやりとりにジーンときた方は多かったのではないでしょうか。そう、中宮彰子はまだ二十歳(はたち)。

I:一条天皇役の塩野瑛久さん、中宮彰子役の見上愛さん。このマッチングに魅せられますね。几帳越しにふたりの結ばれた様子が演出されました。ついにこの日がきたんですね、と思うのと同時に、もしふたりの間に皇子が生まれたら……。中宮彰子と左大臣道長を慕っている幼い敦康親王(演・渡邉櫂)はどうなるの? と言いようのない悲しみに包まれる私です。

A:世の中はかくも非情という展開になるのでしょうか。いや、非情というのは、敦康親王に肩入れしている場合にいできたる感情。今後の物語を見て、視聴者の方々はどんな感情に襲われるのでしょうか。

中宮彰子を慕う敦康親王(左/演・渡邉櫂)。(C)NHK

平安の「ファイト一発」。御嶽詣での難行シーンはこうしてつくられた【光る君へ 満喫リポート】に続きます

●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。「藤原一族の陰謀史」などが収録された『ビジュアル版 逆説の日本史2 古代編 下』などを編集。古代史大河ドラマを渇望する立場から『光る君へ』に伴走する。

●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2024年2月号の紫式部特集の取材・執筆も担当。お菓子の歴史にも詳しい。『光る君へ』の題字を手掛けている根本知さんの仮名文字教室に通っている。猫が好き。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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