はじめに-藤原宣孝とはどんな人物だったのか?
藤原宣孝(ふじわらののぶたか)は、平安時代中期の廷臣です。紫式部の夫としても知られ、数々の要職を歴任しています。夫婦仲は円満だったとされ、宣孝が亡くなった際、紫式部は彼に捧げる和歌を詠んだとされます。
筑前守(ちくぜんのかみ)や山城守(やましろのかみ)などを歴任し、多数の祭礼にも列席していたとされる宣孝。教養があり、博識なイメージがありますが、実際の藤原宣孝はどのような人物だったのでしょうか? 史実をベースにしながら、紐解いていきましょう。
2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』では、世知に長け、妻・まひろ(紫式部)のことを温かく見守る鷹揚な人物(演:佐々木蔵之介)として描かれます。
目次
はじめに―藤原宣孝とはどんな人物だったのか?
藤原宣孝が生きた時代
藤原宣孝の足跡と主な出来事
まとめ
藤原宣孝が生きた時代
藤原宣孝は、生年不詳です。宣孝の次兄・説孝(ときたか)が、天暦元年(947)に生まれているため、同年代に生まれていたと考えられます。この頃に生まれていたと仮定すると、天皇家との結びつきを強めた藤原北家が、その勢力を拡大していた時期にあたります。
宣孝自身も北家出身ですが、道長たちの家系である九条流が特に栄え、政治の中枢を担うようになったのです。
藤原宣孝の足跡と主な出来事
藤原宣孝は、10世紀中頃に生まれ、長保3年(1001)に没しました。その生涯を、出来事とともに紐解いていきましょう。
【藤原為輔の子として生まれる。次ページに続きます】