長篠・設楽原での凄まじい合戦の様子を目の当たりにし言葉を失う家康(右/演・松本潤)と信康(左/演・細田佳央太)。(C)NHK

編集者A(以下A):『どうする家康』第22回では、織田・徳川連合軍と武田軍の一大決戦が描かれました。かつては単に長篠の戦いといっていましたが、「長篠・設楽原の戦い」と称するようになりました。

ライターI(以下I):第22回は長篠・設楽原の戦いがメインの回になりました。主演の松本潤さんは、NHKBSの番組『どうする松本潤?徳川家康の大冒険』(2022年3月)で古戦場に足を運んでいましたね。

A:甲冑を身にまとい、火縄銃を手に持ち、研究者の方の言葉に耳を傾け、ここまでやるか、と感動したことは、当欄でも紹介済みです。(https://serai.jp/hobby/1106505

I:その戦場に織田信長の大軍が援軍として駆けつけてきました。徳川軍とあわせて3万8000。東京ドームがほぼほぼ埋まっている感じの軍勢です(野球開催時満員で4万5000ほど)。

A:対する武田軍は1万5000。平野を進軍してきた織田軍に対して、峠道を進軍してきていますから、疲労はしていたでしょう。武田方の山県昌景(演・橋本さとし)が、〈馬防ぎの柵を作るばかり〉と嘆息していた場面が印象に残りました。

I:今も古戦場に「復元」されている馬防柵ですよね。

A:古戦場の近くには新城市設楽原歴史資料館があります。古戦場まで歩いて行くことも可能なので、合戦の雰囲気を体感したい人は、立ち寄ってほしいです。以前、資料館で徳川美術館監修の「長篠合戦図」を購入したのですが、この合戦図片手に古戦場をめぐると楽しいんですよ。連吾川の現況、家康と信長の在陣場所、そして合戦図には鉄砲隊が二列に描かれていることなど、古戦場に立って目を閉じれば、武将たちの咆哮が聞こえてきそうです。今でもあるのかな、あの合戦図?

I:確か、『信長全史』という本を作る時に行っていろいろ写真も撮ったのですよね。

A:そうです。長篠城から設楽原はもちろん、桶狭間合戦時の両軍各砦をすべて回って写真を撮りました。織田家発祥の福井県越前町の剣神社にもお参りしていますし、信長の関連場所をほぼ網羅しています。武田家との蜜月から決裂までの流れも押さえていますし、今、読み返しても面白いですね。

キツツキの陣とえびすくいの踊り

信康(右端)や本多忠勝(左から2人目/演・山田裕貴)も参加、酒井忠次(中央/演・大森南朋)十八番のえびすくい。(C)NHK

I:さて、劇中では、またもや家康と信長(演・岡田准一)とで、武田軍との戦い方をめぐって意見の相違が見られました。上様という呼称をめぐるやり取り、秀吉(演・ムロツヨシ)と碁に興じる信長を怒鳴りつけるなど、スリリングな展開になりました。

A:重苦しい雰囲気の中で、酒井左衛門尉忠次(演・大森南朋)が武田軍の背後に回る策を献じます。秀吉が〈キツツキでごぜーますな>と説明していましたが、敵陣の背後に回り込んで攻めるのは武田の軍師山本勘助のお家芸の「キツツキ戦法」です。

I:左衛門尉の献策に柴田勝家(演・吉原光夫)、佐久間信盛(演・立川談春)、秀吉がそれぞれ〈この柴田勝家にお申しつけくだされ〉、〈いやいやこの佐久間信盛に〉、〈いいや、この秀吉に〉と、まるでダチョウ俱楽部のギャグのようなやり取りが展開されました。なんやかんやで、左衛門尉がその役を務めることになりました。

A:ここで、「えびすくい」の踊りが始まります。今回は、その場にいた家臣団ほぼ全員参加する「大えびすくい」になりました。私は「えびすくい」が大好きなので左衛門尉の酒井家の領地・山形県鶴岡市で「大えびすくい」を開催してほしいですね。

信長と3000挺の鉄砲と。次ページに続きます

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