A:それはともかく、足利義昭は〈官位を金で買った田舎ものが〉と家康を蔑んでいました。なんだか天に唾する発言だと思って見ていました。その田舎大名の資金がなければ暮らし向きが不如意だったのではないですか、と。
I:高貴な人はそんなことは気にしないですからね。私はそういう場面だと思って見ていましたよ。それよりも正装の「松潤家康」がキリっとしていてびっくりしました。やっぱりこういう家康をどんどん出していい時期だと思うのですが。
A:今後は合戦に明け暮れる日日が続きますからね。どう脱皮させていくのか楽しみですね。
お市の方の侍女の「衝撃」
I:コンフェイト騒動の中で、お市の方(演・北川景子)が夫の浅井長政(演・大貫勇輔)と一緒に上洛しているという設定でした。しかも長女でまだ乳飲み子の茶々を抱いての登場です。
A:「いくら北近江が京へ近いからといって、乳飲み子を連れて上洛するわけがない」という声が聞こえてきそうですが、家康と茶々を引き合わせたかったのでしょう。ここは目をつむりましょう。それよりも、お市の方が、侍女(演・伊東蒼)にコンフェイトを分け与えていたシーンが印象に残りました。お市の方は優しいという設定なのかと。
I:侍女の名前にお気づきですか? あの侍女は「阿月」という名でした。私は次回の予告で侍女の阿月が必死の形相で走っているのを見て衝撃を覚えました。
A:どういうことでしょう?
I:阿月=あずきですよ……。
A:あずき……え? これは……。あ、そうか。だから侍女にコンフェイトを口に含ませて、印象に残る設定になっているのですね。いや、これは来週とんでもないことになりそうですね(笑)。
I:次回、浅井長政がキーパーソンになります。どんな展開になるのでしょうか……。
●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。歴史作家・安部龍太郎氏の『日本はこうしてつくられた3 徳川家康 戦国争乱と王道政治』などを担当。『信長全史』を編集した際に、採算を無視して信長、秀吉、家康を中心に戦国関連の史跡をまとめて取材した。
●ライターI:三河生まれの文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2023年2月号 徳川家康特集の取材・執筆も担当。好きな戦国史跡は「一乗谷朝倉氏遺跡」。猫が好き。
構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり