江戸期の画家、円山応挙(まるやま・おうきょ、1733~95)の作品を一挙に堪能できる展覧会が、東京・青山の根津美術館で開催されています。(~12月18日まで)

国宝 円山応挙筆「雪松図屏風(右隻)」〔江戸時代 天明6年(1786)頃 三井記念美術館蔵〕前期(11月3日~11月27日)展示。

国宝 円山応挙筆「雪松図屏風(右隻)」〔江戸時代 天明6年(1786)頃 三井記念美術館蔵〕前期(11月3日~11月27日)展示。

円山応挙は、京の狩野派の石田幽汀に学び、早くからオランダ渡来の「眼鏡絵」の影響を受けた一方で、中国の着色画や日本のやまと絵、琳派からも多くを学び、自然観察に基づいた精細な描写と狩野派の装飾性を併せ持つ、新たな様式を確立しました。

円山派と称されたその様式は、のちの京都画壇に大きな影響を与えました。

本展は、国宝や重要文化財に指定されている応挙の作品を多数展示し、超絶的かつ多彩なテクニックによって支えられた応挙の写生画の魅力を広く、深く検証できる展覧会です。

重要文化財 円山応挙筆「七難七幅図巻」3巻のうち〔江戸時代 明和5年(1768) 相国寺蔵〕会期中巻替えあり。

重要文化財 円山応挙筆「七難七幅図巻」3巻のうち〔江戸時代 明和5年(1768) 相国寺蔵〕会期中巻替えあり。

本展の見どころを、根津美術館広報担当の所純子さんにうかがいました。

「円山応挙は、“写生”にもとづく新しい画風によって、日本の絵画史に革命を起こした画家です。しかし近年、写生ないし写生画という言葉だけではとらえきれない応挙の多面性、作品世界のバックグラウンドが指摘されることも多くなっています。

本展は、応挙の生涯を代表する作品の数々を、さまざまな可能性を秘めた若き日の作品、絵画学習の痕跡を濃厚にとどめた作品、そして鑑賞性にも優れた写生図とともにご覧いただきます。

写生を大切にしながらも、それを超えて応挙が目指したものは何だったのか、感じていただければ幸いです」

国宝・重要文化財を含む応挙の名品がずらりと並びます。会場でじっくりご堪能ください。

【開館75周年記念特別展 円山応挙-「写生」を超えて-】
■会期/2016年11月3日(木・祝)~12月18日(日)※会期中展示替えあり(前期:11月3日(木・祝)~11月27日(日)後期:11月29日(火)~12月18日(日))
■会場/根津美術館 展示室1・2・5
■住所/東京都港区南青山6-5-1
■電話番号/03・3400・2536
■料金/一般1300円 学生(高校生以上)1000円 ※中学生以下無料、20名以上の団体及び障がい者手帳所持者と同伴者は200円引
■開館時間/10時から17時まで(入館は16時30分まで)
■休館日/月曜日
■アクセス/東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A5出口より徒歩約8分、渋谷駅より都バス新橋駅前行きで「南青山6丁目」下車徒歩約5分

※根津美術館のサイトはこちら

取材・文/池田充枝
1989年「サライ」の創刊時より歴史資料の調査や展覧会情報を中心にフリーランスで「サライ」の取材・執筆に携る。

 

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