正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? Google先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については十分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識“は確かでしょうか? もう一度、確認しておいても良いかもしれませんね。
「脳トレ漢字」第15回目は、「顰蹙」をご紹介します。文章の中にあれば読めるけれど、この熟語だけを抜き取られると途端にわからなくなるような漢字かもしれません。脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「顰蹙」は何と読む?
この「顰蹙」という漢字はなんと読むでしょう? 「顰蹙を買う」という慣用句で用いられることが多いため、漢字単体だと馴染みがないかもしれません……
正解は……
「ひんしゅく」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「不快に感じて顔をしかめること、まゆをひそめること」として説明されています。また、慣用句「顰蹙を買う」は、「良識に反する言動をして人から嫌われ、さげすまれる」様子を表しています。続いて「顰蹙」の漢字の由来についてご説明をいたしましょう。
■「顰蹙」の漢字の由来とは?
「顰蹙」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。まず、「顰」という字の音読みは「ヒン」、訓読みは「ひそめる」「しかめる」となります。上の「頻」の部分が「しわが寄る」ことを、下の「卑」の部分が「小さい」ということを意味しています。そのため「顰」は、「顔をしかめる」の意味を表します。
続いて「蹙」という字は、音読みで「シュク」、訓読みで「しかめる」「せまる」などと読むことができます。「蹙」は、「顔や額にしわを寄せること」を意味します。
つまり「顰蹙」という熟語は、同じ意味・似た意味の漢字を組み合わせたものだと言えます。
■関連語「顰笑」「蹙眉」読めますか?
最後に「顰蹙」で用いられた漢字を使った難読漢字をご紹介していきます。先ほどご紹介した音読みなどを参考に、「顰笑」「蹙眉」の読みに挑戦してみてください。
まず「顰笑」は「ひんしょう」と読みます。「顔をしかめることと笑うこと、悲しみと喜び」を表します。
次に「蹙眉」は「しゅくび」と読み、「眉をしかめる」ことを意味します。やはりどちらも、顔をしかめるというニュアンスが含まれているのですね。
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いかがでしかか? 今回の「顰蹙」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 「顰蹙」の漢字はどちらも常用漢字ではないため、触れる機会は少ないですが、漢字の意味を押さえておけば言葉の意味も推察できるでしょう。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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