「あれ? なんて漢字だったけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第44回目は、「木耳」をご紹介します。中華料理によく使われるあの食材です。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「木耳」はなんと読む?
「木耳」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「もくみみ」ではありません……
正解は……
「きくらげ」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「担子菌類キクラゲ科のキノコ、桑やニワトコの枯れ木に群生」と説明されています。コリコリとした食感が特徴的な食材ですね。その名前は、海の「クラゲ(海月)」に食感が似ていることに由来すると言われています。
■「木耳」の漢字の由来とは?
「木耳」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「木」は植物の「き」を、「耳」は「耳の形をしたもの」を意味しています。なぜ「木の耳」という漢字が当てられたのでしょうか? これは「キクラゲ」の形が、人の耳に似ていることに由来しています。「木に生えた耳」の意で、「キクラゲ」に「木耳」と漢字が当てられているのです。
また、中国では「耳茸(みみたけ)」と表記することもあったそうで、それを受けて、当時の日本人が「キクラゲ」に「耳」を当てはめたとも考えられています。
■「キクラゲ=耳」は世界共通?!
「キクラゲ」の海外での表記を見てみると、やはり「耳」のイメージが持たれていることが分かります。キクラゲ属の学名は、ラテン語で「小さい耳、耳たぶ」という意味の言葉に由来しています。
英名では「ユダの耳、ユダヤ人の耳」を意味する「Judas’ ear」「Jew’s ear」と表します。一説によると、キリストを裏切ったユダが首を吊った木から、耳の形をしたキノコが生えてきたので「ユダの耳」と名付けたと言われています。
アジアだけではなく、世界各地で「キクラゲ=耳」というイメージが強いことが分かります。
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いかがでしたか? 今回の「木耳」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 一般的にカタカナや平仮名で表記されるものが多い食べ物も、由来を知るとその漢字表記も納得できますね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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