最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもありますよね。

動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。

「脳トレ漢字」第31回目は、「間髪」をご紹介します。「間髪をいれず」という表現でよく目にする言葉です。

脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。

■「間髪」はなんと読む?

「間髪」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「かんぱつ」と読んでしまいそうですが……

正解は……
「かんはつ」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「少しも余裕のないこと。また、そのさま」と説明されています。一般的に広まっている「かんぱつ」という読み方は誤読に当たります。

慣用句「間髪をいれず」は、間(あいだ)に髪の毛ひとすじを入れる隙間もないことから、「即座に、とっさに」を意味します。そのため本来の意味から考えると、「かん、はつをいれず」と、間と髪の間を区切るのが正しい読み方です。

しかし、次第に間を区切らなくなり、「間髪」は一語だと誤解されてしまいました。そこから半濁音が付き、「かんぱつ」という誤読が多く見られるようになったと言われています。

■「間髪」の漢字の由来とは?

「間髪」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「間」は「あいだ」を、「髪」は「僅かなものの喩え」を意味します。「間に髪の毛一本さえ入らない」ことから、「間髪」は「少しの時間も置かずに、とっさに」という意味を持つ言葉となりました。

■「間髪」と同じ間違い! 「綺羅星」という言葉は存在しない?

「間髪をいれず」は、区切り方の変化から読み方も変化した語だと分かりました。同様に、「綺羅星の如く」という慣用句の区切り方も、間違われやすいです。

「きらぼしの、ごとく」ではなく、「きら、ほしのごとく」が正しい区切り方になります。そのため、「きらぼし」と濁音はつきませんし、「綺羅星」という言葉も存在しません。

綺羅は美しい衣服のことで、「綺羅星の如く」とは「着飾った装いがきらきらと光ってまるで星のようだ」という意味になります。転じて、「地位の高い人が星の数のようにたくさんいること」を例えて使われます。

  ***

いかがでしたか? 今回の「間髪」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 言葉の成り立ちを学ぶと、読み方もスムーズに覚えられますね。

来週もお楽しみに。

文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/

 

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