「あれ? なんて漢字だったけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか?
しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第11回目は、「扨措」をご紹介します。
日常の中でよく使われる言葉ではありますが、読んだり、書いたりすることが難しい漢字でもあります。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「扨措」は、なんと読む?
「扨措」、読み方に心当たりはありますか? 「扨」という漢字は馴染みが薄いかもしれませんね。話題を転換するときに使う言葉なのですが…。
正解は…
「さておき」です。
送り仮名をつけて、「扨措き」「扨置き」とも書きます。『小学館デジタル大辞泉』では、「ひとまずその事柄を問題から外すとして。それはそれとして。『それは―、本題に移りたい』」と説明されています。話を変えるときに使う言葉である「さて」という時の漢字も「扨」が用いられますよ。
続いて、「扨措」の漢字の由来についてご説明をいたしましょう。
■扨措の由来とは?
「扨措」の熟語を一文字ずつ見ていきましょう。まずは、「扨」という漢字について。「扨」という漢字は国字になります。国字(こくじ)とは、漢字の字体にならって日本で作られた文字のこと。純粋な日本語といってもいいかもしれないですね。ですから、音読みはなく、訓読みしかありません。他にも、「峠(とうげ)」、「躾(しつけ)」などが国字として挙げられます。「扨」は、「扠」の音をとって、国字にあてたものであろうと言われています。
続いて、「措」の漢字について解説します。「措」の音読みは「ソ・サク」、訓読みは「おく」です。音声を表す文字と意味を表す文字を組み合わせた形声文字であり、「措」の場合は「扌(てへん)」が形を表し、「昔(せき)」が音を示しています。「昔」には、重ねるという意味があるので、「措」は、重ねて置くことや置いたまま放って置くことを表すのです。
■「措いて」、読めますか?
ここまで読んでくださった方には簡単ですね。
「措いて」の読み方は「おいて」。
「君を措いて、他には誰もいない」というように、「~を除いて。~以外に」という意味で使われます。
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いかがでしたか? 今回の「扨措」のご紹介は皆様の漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 会話の中で頻繁に使う言葉ではありますが、頭の中に漢字をイメージしていただくと、言葉の重みが増すのではないでしょうか。
来週をお楽しみに。
文/京都メディアライン
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