正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいてる」ということがあるかもしれませんね。
Google先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については十分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識“は確かでしょうか? もう一度、確認しておいても良いかもしれませんね。
「脳トレ漢字」第14回目は、「瀟洒」をご紹介します。文章の中にあれば読めるけれど、この熟語だけを抜き取られると途端にわからなくなるような漢字かもしれません。脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「瀟洒」は、なんと読む?
「瀟洒」、読み方に心当たりはありますか? 「瀟」も「洒」もあまり馴染みのない漢字かもしれませんね。「瀟洒な洋館」と違う言葉と組み合わせると読みやすくなるのではないでしょうか…?
正解は…
「しょうしゃ」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「すっきりとあか抜けしているさま。俗っぽくなくしゃれているさま」として説明されています。他にも、しょうしゃは「蕭洒」、「瀟灑」とも書きますよ。
続いて、「瀟洒」の漢字の由来についてご説明をいたしましょう。
■瀟洒の漢字の由来とは?
「瀟洒」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。まずは、「瀟」という漢字について。「瀟」の音読みは「ショウ」、訓読みはありません。「瀟」には2つの意味があり、1つ目は、「川の名前」。中国の湖南省寧遠(ねいえん)県九嶷(きゅうぎ)山から流れでて、永州(えいしゅう)市で、湘水(しょうすい)にそそぐ川を指します。2つ目は、「水が澄んで深いさま」を表しますよ。
続いて、「洒」の漢字について解説します。「洒」の音読みは「サイ」「シャ」「シ」「ソン」、訓読みは「そそぐ」「きよらか」「あらう」です。「洗ったようにさっぱりしている」、「水で洗い清める」という2つの意味を持っています。
澄んでいるさまを表す「瀟」と洗ったようにさっぱりしている「洒」を組み合わせて「瀟洒」とすることで、すっきりとあか抜けているさまを表すようになったのでしょうね。
■「満目瀟然」「洒洒落落」「洒心」読めますか?
「瀟洒」で使われていた漢字にまつわる難読漢字をご紹介します。「満目瀟然」、「洒洒落落」、「洒心」、それぞれ読めますか? これまでの説明を参考にしていただき、挑戦してみてください。
「満目瀟然」は「まんもくしょうぜん」と読み、あたり一面(=満目)物寂しいさま(=瀟然)を指します。
続いて、「洒洒落落」の読み方は「しゃしゃらくらく」と読みます。「洒落(しゃらく)」を分けて重ねた言葉で、性質や言動がさっぱりしていて、執着しないさまのことです。
最後の「洒心」。「洒」の音読みは4つありますが、こちらは「さいしん」と読みます。心を洗い清めるという意味です。
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いかがでしたか? 今回の「瀟洒」のご紹介は皆様の漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 「瀟洒」の「瀟」は特に二十画と書き順も多く、書き慣れない漢字かもしれません。この機会に動画を見ながら読んで書くことで、「瀟」の字もさらりと書ける漢字の一つにしてみてください。
来週をお楽しみに。
文/京都メディアライン
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