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夜中のトイレは「寿命が縮まるサイン」!?|快尿を実現する方法

文/鈴木拓也

夜起きてのトイレは「寿命が縮まるサイン」?! 快尿を実現する方法とは?
「夜中に起きてトイレに行くことが増えた」――誰にでもある、どうということのない生理現象だと皆さんは思われるだろう。

しかし、それは「寿命が縮まるサイン」だと恐ろしいことを言うのは、順天堂大学大学院で泌尿器外科学を専門とする堀江重郎主任教授。

じつ実は、「夜中に1回以上、排尿のために起きる」のは「夜間頻尿」という症状。加齢とともにその回数は増える傾向があるという。

これ自体は病気ではないが、安眠が妨害されるだけでなく、「高血圧、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病と密接に関わっているケースが少なくありません」と、堀江教授は著書の『寿命の9割は「尿」で決まる』で述べている。

また、早い人だと中年期から現れる残尿感や尿失禁の症状も、加齢と関係があるという。

こうした症状が起きるのは、主に「膀胱の筋肉の衰え」のせい。年を重ねると、腕や脚の筋肉が衰えてゆくのは、誰しもご存知のとおりだが、膀胱も同じように衰えてゆくのだという。ここの筋肉が衰えると、トイレが近くなり、排尿もうまくいかないなど、なにかと不快な症状となって顕在化する。くわえて男性の場合、前立腺が加齢とともに肥大し、このせいで同様の症状が起こることもある。そして、先に述べたとおり夜間頻尿には、糖尿病のような重篤な病気が隠れている可能性もあると、堀江教授は指摘する。

尿トラブルの多くが加齢に伴うものなら、「トシだからしょうがないか…」と諦めるしかないのだろうか?

堀江教授の答えは「否」だ。億劫がらずに、泌尿器科で受診することを勧めている。

「たとえ命にかかわるものでなくても、症状を放置すれば、活動の頻度も範囲も狭まっていくでしょう。そのままクオリティ・オブ・ライフが低下してしまうのは、非常にもったいないことです。諦めることはありません。専門家の指導のもとで適切に対処すれば、尿に関する不快症状は、かなりの確率で進行を食い止め、改善することができます」(本書145~146pより)

通院のすすめとは別に、堀江教授が本書で取り上げているのが「尿活トレーニング」、すなわち、衰えた膀胱などの筋肉を鍛えなおすセルフケアだ。これには幾つか種類があり、例えば「肛門エクササイズ」だと、肛門を5秒くらい締めて緩めるを約10回繰り返し、「尿道エクササイズ」だとトイレで数秒間排尿を我慢する。ヨガや太極拳でも同様の効果があるという。

そして、健康法の定番であるウォーキングも、かなり有効な尿トレになるという。コツは「背筋をピンと伸ばし、腕を大きく振り、大股で、息が上がらない程度に早歩きで歩く」。時間にして1日あたり15~30分。膀胱の筋肉を間接的にストレッチさせ、生活習慣病全般の予防になり、「転倒→骨折→寝たきり」という要介護コースを回避できると、いいことづくめ。基本的に、運動習慣は「快尿につながる」とのことで、ウォーキングにこだわらず好きな運動に励むのがよさそうだ。

また、「快尿食」として堀江教授が挙げるのが、アルギニンとシトルリンという2種のアミノ酸。膀胱に柔軟性を与える一酸化窒素の原料となるので、これらを含む食品を意識して摂るようにするのも効果的だとする。アルギニンは魚介類、肉類、ナッツ類に多く含まれ、シトルリンはスイカやにがうりなど、主にウリ科の果実・野菜に含まれている。これらを組み合わせた、ゴーヤチャンプルーといった料理は「最強」という。

本書は単なるハウツーだけではなく、中高年以降の人たちが知っておくべき、泌尿器系の基礎知識が満載。「もしかして、自分は尿のトラブルになりかかっている?」と不安な方は、ぜひ読んでほしい1冊だ。

【今日の健康に良い1冊】
『寿命の9割は「尿」で決まる』

https://www.sbcr.jp/products/4797390919.html

(堀江重郎著、本体800円+税、SBクリエイティブ)

『寿命の9割は「尿」で決まる』
文/鈴木拓也
老舗翻訳会社役員を退任後、フリーライター兼ボードゲーム制作者となる。趣味は散歩で、関西の神社仏閣を巡り歩いたり、南国の海辺をひたすら散策するなど、方々に出没している。

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