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健康

「アゴ難民」増加中|本当は怖い病気、顎関節症

文/藤原邦康

あなどると危険! 顎関節症に注意!!

「最近、アゴがコキコキ鳴るなぁ…」と違和感を覚えたり、虫歯でもないのに食べ物を噛みづらくなったりしたことはありませんか? 現代人の2人に1人が一生のうちに一度は経験はすると言われる顎関節症……。ここ15年ほど増加の一途をたどっています。原因と考えられるのは、携帯やスマホの小さな画面をのぞきこむ前傾姿勢です。頭が15度傾くだけで首にかかる負荷は約2倍になり首周辺の筋肉が硬縮。さらに口回りの咀嚼筋も連鎖的に緊張しがちになります。

顎関節症

またストレスから起こる歯ぎしり・食いしばり癖によっても顎関節症は引き起こされるといわれています。舌や咀嚼筋など口周辺の緊張が長い期間続くと、アゴの痛みや音、緊張型頭痛や肩こり、目の奥の痛み、耳鳴り、めまいなど様々な症状を引き起こします。当然こんな状態では、食べ物を良く噛んで味わうことが難しくなりますね。食の楽しみが減るだけでなく、丁寧に歯を磨くことも困難になり歯周病を発症してしまったり、正しく飲み込むことができず誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなったりするリスクも増大します。たかがアゴとあなどると危険ですよ。

顎関節症の対処法としては、口を動かす咀嚼筋バランスや顎関節のゆがみを調整し、不正咬合を正せば良いと考えられています。現在、歯科で一般的な治療法は保険適用されるマウスピース(スプリント)療法です。

ただ、マウスピースは本来、安静を保つために一時的に装着するもの。長く装着し続けると歯並びが変化してマウスピースなしでは上下の歯がかみ合わなくなってしまうリスクもあります。また、主に就寝時に装着するのですが、マウスピースを付けると寝つきが悪くなり、夜間、無意識にはずしてしまう患者さんもいます。マウスピース療法だけでは多少症状が軽くなるものの根本解決に至らない場合も多く、実は多くの歯医者さんが手を焼いています。マウスピース療法以外にも、ストレスから起こる食いしばり癖(TCH)を避ける認知行動療法や咬合調整などもありますが、十分な効果を発揮しているとは言えません。上のグラフを見ても、新患数に対して再来数が多く同じ患者さんが通院し続けていることが読み解けます。症状がなかなか改善せずセカンドオピニオンを求めてドクターショッピングを続ける「アゴ難民」が多くいるのが現状なのです。

多くの歯科医師が信念を持ち正しい歯科アプローチをしているにも関わらず、顎関節症患者やアゴ難民がなかなか減らない理由の一つは、口腔外の問題を見落としていたからです。「口腔外」とはつまり、頭や首を含めた背骨の筋肉や骨格の偏りのことです。建物に例えると、ドアの建て付けが悪く開け閉めに問題があるときに、ネジをしめたりカンナをかけたりするのが歯医者さんの仕事に近いと言えます。ところがいくらドア周りを丁寧に修理しても、大黒柱や基礎が傾いていたとしたら問題の根本解決にはつながりません。同様に、悪い姿勢の患者さんに、たとえ正しい咬合調整をしても顎関節の「建てつけ」はなかなかよくならないのです。またアゴや背骨が建物と異なるのは、ただの積み木構造ではないということです。例えば、下アゴ(下顎骨)からは筋肉や靭帯、筋膜などが頭や首、舌、肩甲骨などにも伸びていて、まるで吊り橋のケーブルのように張力でも幾重にも支えられています。このため、頭や肩の高さなど姿勢が乱れても、たわみ・ひずみの連鎖(力学的チェーン)によってアゴのポジションに悪影響が及ぶのです。余談ですが、「顎関節症は放っておけば治る!」と主張する歯医者さんもいます。これはある意味正しく、肩の位置や首の傾きを無意識にズラしていくと、下顎骨がたまたま正しい位置にピタリと収まることがあります。すると、アゴの症状はウソのように消え、その代償として首のこわばりや四十肩、手のしびれなどを発症しやすくなります。

話を戻すと、背骨のバランスをある程度整えてからでないと、顎関節症に対する咬合調整はいくら腕の良いベテランの歯医者さんであっても困難を極めるわけです。

(社)日本整顎協会はこの視点に立って、柔道整復師や鍼灸師、カイロプラクターなどの筋骨格系の専門家と歯科が協力体制を取り連携してアゴ難民を救済することを推奨しています。まず筋肉や骨格などの調整を施して姿勢のバランスを改善した後、咬合調整すると歯医者さんも治療がしやすくなります。また改善に至る期間がだいぶ短縮されます。次回は、自分でできる顎関節症セルフケアについて解説します。

文/藤原邦康
1970年静岡県浜松市生まれ。カリフォルニア州立大学卒業。米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック。一般社団法人日本整顎協会 理事。カイロプラクティック・オフィス オレア成城 院長。顎関節症に苦しむアゴ難民の救済活動に尽力。噛み合わせと瞬発力の観点からJリーガーや五輪選手などプロアスリートのコンディショニングを行なっている。格闘家や芸能人のクライアントも多数。

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