夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。月曜日は「健康・スポーツ」をテーマに、プロレスラーの神取忍さんが執筆します。
文/神取忍(プロレスラー)
今回は、私が自宅でやっている簡単なマッサージをご紹介します。
私の場合は、この連載第2回でもご紹介したように、整体やマッサージ、鍼灸院など、プロの方にケアしてもらうことが多いのですが、自宅で過ごす合間合間、お風呂上がりや寝る前などに、自分でもいろいろと試しています。その中で、私が効果を実感している腰痛対策をふたつ、ご紹介しましょう!
テニスボール2個を使って腰の筋肉をほぐす
まずご紹介するのは、テニスボールを使った背筋のマッサージ。私が腰痛になったときに知人から教わったもので、以来ずっと続けています。テニスボールは思いのほかツボに入る優れものなんですよ。
■用意するもの
テニスボール2個。値段の高い、本格的な硬式テニス用のボールでなくてもかまいません。100円ショップで売っている、黄色いテニスボールでも十分です。2つのボールを並べてテープで固定します。
■マッサージの仕方
合体させたテニスボールを、つらい腰の部分に当てて寝る。これだけでOK!
やるときは、布団やベッドの上ではなく、フローリングや畳など床の上で行なってください。また、寝転ぶときに枕は使わないように。
ウエスト付近には、「脊椎起立筋」「大殿筋」など背骨の左右に大きな筋肉があって、その筋肉のラインに沿ってツボが密集しています。つまり、痛くなるかもしれない箇所が無数にあり、その箇所は人それぞれ微妙に異なるんだよね。だから、テニスボールを当てるのは、自身がいちばんつらいと感じている部分でいいんです。
テニスボールが患部をじかに押すので、最初はちょっと痛いかもしれません。でも、無理のない範囲で我慢です。慣れない最初のうちは、仰向けになるときに、膝を曲げ、足の裏を床についてもかまいません。そうすることで、テニスボールの圧力を弱めることができるので試しながら行なってください。
このマッサージはじっくり、ゆったりやるのが大切。最初は30秒間ぐらい、じっとしていてください。理想は1~3分間ぐらいです。
イメージは、背骨のまわりの筋肉や腰の関節をほぐす感じ。繰り返していくうちに、次第にボールの痛みも弱まっていき、ボールを当てて寝ていられる時間も長くなっていくと思います。慣れてきたら、肩甲骨や、胃の下の辺りとか、気になるところにも当ててみてください。
注意点がひとつ。
痛くないからといって、ボールを当てて寝たまま、背中の下でテニスボールをゴロゴロ転がすのはダメですよ! 背筋を痛めることがありますから。
足のくるぶしを3か所押して、血流を改善
次には、足首部分のツボ押しです。
このマッサージに道具は不要。テレビを見ながらでも、お風呂に浸かりながらでもできる、簡単便利な「ながらマッサージ」なんだよね。
■マッサージの仕方
横座りの格好をして、足の外側のくるぶしの下、凹んでいる部分の3点、
・アキレス腱の横
・くるぶしの下
・かかとの上
を、三角形を描くように順番に自分の指で押していきます。
ツボを押すのに使うのは、人差し指の第2関節部分。手のひらをゲンコツにして、人差し指の第2関節を突き出すようにします。
突き出した関節の部分を使い、三角形を約10~20回描くイメージで、3つのツボをそれぞれゆっくり押していきましょう。押す時間の目安は3~10秒。痛いようだったら、短くても大丈夫です。
そして片方の足が終わったら、必ずもう片方の足も同じように押してくださいね。
ツボを刺激することで、体内の血流がよくなるからだと思うんだけど、私の場合は、腰の痛みが軽減して、足のむくみも一緒に取れていく気がしています。
腰痛は慢性の方が多いでしょうから、根気よく、少しずつでもいいので続けてみてください。
しかし、腰痛改善や、腰痛知らずの体を維持するためには、日ごろから姿勢を正して生活をし、背筋を鍛えておくことが大事なんだな。ストレッチをしたり、腹筋を鍛える運動をしたり、腰まわりの筋力をつけ、柔軟性を高めておくことが重要です。
とにかく健康には運動することがいちばんです。この連載第3回でご紹介した「神取体操」をぜひお試しください!
文/神取忍(かんどり・しのぶ)
神奈川県生まれ。プロレスラー。1983年から全日本選抜柔道体重別選手権(66kg級)3連覇。1986年女子プロレスデビュー、現在は総合格闘技にも挑戦中。女子プロレス団体LLPW-X代表。