夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。月曜日は「健康・スポーツ」をテーマに、プロレスラーの神取忍さんが執筆します。

文/神取忍(プロレスラー)

最近の急激な天候の変化には、驚くばかりですね。夏日になったと思ったら、翌日はいきなり10℃近くも気温が下がったり、嵐のような豪雨になったと思ったら、ピーカンが続いたりと、もう体もついていくのが大変……。

寒暖差が大きくて体温調整がうまくいかず、体がへたばってきたときには、季節を問わず鍋がいちばん! わが家の鍋は、ダシに肉や野菜、きのこやはんぺんと、冷蔵庫にあるものをなんでも放り込んで煮込んだら、完成! あとはポン酢や胡麻ダレなど好きなタレをつけていただきます。

熱々の鍋を食べて体が温まり、汗をしっかりかくと、自律神経が整うからだと思うんだけど、体のだるさが抜けていくんだよね。

わが家の鍋。このときは醤油ダシでした。料理は得意ではないけど、よく作ります。ちなみに、得意料理は材料を焼くだけの網焼きです(笑)。

整体で内蔵を正しい位置に戻す

このほかに、もうひとつ。体がなんとなくだるくなってきたとき、私にとって欠かせないのが、東池袋にある「このはずく接骨院」での施術です。

前回もお話しましたが、プロレスラーは体が資本。だから、私は日々のトレーニングとともに体のケアにも力を入れていて、そのときどきの症状に合わせて整体やマッサージ、鍼灸院へ足を運んでいます。例えば、試合でかなりの痛手を負ったときには、A先生。筋肉がパンパンに張ってしまったときには、ちょっと遠いけどマッサージ師のB先生にお願いするといった具合。

このはずく接骨院に通い始めたのは今から7、8年前だったかな。オープンしたてのころ、フラッと寄ってみたのが最初だったと思います。

マッサージや鍼灸院などもそうだけど、整体をしてもらうときは、その先生との相性もとっても大事。相性がよくないと、ひどい目に遭ってしまうことがあるから。

以前、プロレスの地方興行でヒザをやってしまって、「さて、どうしよう」と思っていたら、会場の主催者の方から「いい先生がいるよ」と言われて、病院へ行く前にとりあえず看てもらったの。そしたら、よくわからないんだけど、なんかいきなり膝の関節を押されて痛いことをされて、ヒザが倍以上に腫れあがっちゃったんだ。「これ、どーすんだよ」って言っても、あとの祭り。それからは、初めての先生に治療をしてもらうときには、用心して少しずつやってもらうようにしているんだ。

それでいうと、このはずく接骨院の先生との相性はとてもいい。ボキボキする整体は初めての先生だと恐いので、マッサージをお願いしたんだけど、それがとっても上手。翌日には痛みが解消されたので整体もお願いするようになって、いつの間にか常連に……。そうして何年か通っていたら、あるとき、先生が「実は、ある独特の整体施術をずっと研究している」というんだよね。

整体というと、肩や腰、ヒザなど関節まわりの施術というイメージがあるじゃないですか。でも、この先生は「整体で内蔵の調子を整える」と言うんだよね。

よくわからないので、どんな施術なのかを聞いたところ、「疲れてむくんでいる内臓を手で押しながら、その内蔵の固さや形を正常に整えていくことで、血液の循環がよくなって、内臓のむくみがとれていき、臓器とともに体全体の調子もよくなる」とのこと。

そして、「疲れてむくんだ内蔵というのは、本来あるべき位置より下に落ちている。だから、内臓の血行をよくしてほぐしたあとは、その内蔵を施術によって上げて、正しい位置に戻してあげる。すると、内臓が元気に動くようになるのとともに、骨と筋肉もしっかり動くようになって、体の調子がよくなる」というわけ。

そんな話を聞いて、理論は理解できても、実際のイメージはよくわからなかった。だけど、先生の腕前をある程度信用していたから、その施術をやってもらったんだ。そしたら、体がすごく軽くなったんだよね。それ以来、腰や膝が痛いときのついでに体がちょっとだるいな~と思ったら、その施術をしてもらいに、行ってますよ。自宅と道場の途中にあることもあって、多いときには週3回ぐらい行っちゃうときもあるかな。

体の疲れというのは肝臓に溜まるということなので、私は肝臓を整えてもらうことが多いですね。あっ、でも勘違いしないでよ。意外に思われるかもしれないけど、私はお酒があまり飲めない体質なんだよね。だから、お酒による肝臓疲労は一切ありませんので、あしからず。

子どものころ、おなかが痛いときにやっていたことの記憶

この先生の独自の施術をしてもらうようになって、早二年。その整体理論については、頭では理解できているし、結果、体も楽になるんだけど、最初のころはなかなか身体の感覚と一致しなかったんだよね。でも、施術を受けたあとの感覚を自分なりに分析して、今ではなんとなくだけど納得して、施術してもらっています。

その感覚とは、子どもの頃、大人に言われてやっていた習わしです。ほら、昔って、おなかをこわしたとき「手のひらをおなかに当てて、時計回りに12回まわせ」って言われませんでした? その理由とか意味とかはよくわからないけれど、そうすると、硬くなっているおなかがほぐれてくるような感じがして、なんだか楽になったんだよね。

整体で内臓を整えるという、この先生の施術は、それと同じような感覚で体が癒されて、疲れがなくなっていくのが実感できるんですよ。

最近では、見よう見まねで、寝る前におなかを自分の手で押してほぐしたり、おへその辺りにカイロを当てて温めたりしているんだよね。そうすると、なんだか寝つきもよくなって、目覚めもいいんだな。

肝臓のあたりを、上に上げるようなイメージで押したり、

おなかの中心を手で押しながら温めたりと、自分でもマッサージの仕方を試してます。

読者の皆さんも、この機会に内臓の形や動きを意識しながら、手でおなかをさすったり、温めたりしてみてはいかがですか。意外とクセになるかもよ。ただし、先生が言うには、この整体によって、私のように効果を実感ができる人と、実感できない人がいるらしい。私と同じく、読者の皆さんの体が軽くなることを祈っています!

文/神取忍(かんどり・しのぶ)
神奈川県生まれ。プロレスラー。1983年から全日本選抜柔道体重別選手権(66kg級)3連覇。1986年女子プロレスデビュー、現在は総合格闘技にも挑戦中。女子プロレス団体LLPW-X代表。

 

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