二月に入って寒さが一段と増してきましたね。インフルエンザも流行中とのことで、特に防寒具の装備やうがい等の予防が肝心になります。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
日々の生活習慣の見直しだけではなく、実際になにかの症状でお困りの場合に漢方クリニックで治療してもらうにはどうすればよいのか、どのような治療をしてもらえるのか、といったよくある疑問について、実際に漢方クリニックに行くことをイメージしながらお答えしていきたいと思います。
前回は処方してもらった漢方薬を飲んでみるまでの流れをみてきましたが、今回は第5回目で、漢方薬だけではなくて漢方医から教えてもらった生活指導の実践の段階です。
漢方クリニックでは、お薬の処方だけではなく、生活習慣の指導もしてもらえるのでしょうか? 慶應義塾大学教授の渡辺賢治先生にお聞きしました。
「漢方医学では病気になる前に、病気にならないような生活を送ること、そして毎日をイキイキと過ごすことが大事とされています。この考え方を『養生(ようじょう)』といいます。漢方というと『漢方薬の服用』が治療法だと思いますよね? でも実は漢方の世界では、漢方薬を飲んでもらうのと同時に養生(生活習慣の改善)がとても重要だと考えられています。ですので、漢方クリニックでは漢方薬の処方だけにとどまらず、生活習慣の改善などの養生指導をしてくれることが多いです」
養生指導ではどのようなことを言われるのでしょうか?
「それは患者さんの状態に合わせて指導するので一概にこれというものはありませんが、大きく食事、運動、睡眠について言及されることがあると思います」
食事というと薬膳料理のことを指すのでしょうか?
「もちろん薬膳の考え方がベースとなりますが、食べたものが私たちの体を作るので、食事に気をつけることは養生の基本です。1日の食事の回数や食事の時間が不規則であるか、バランスの良い食事を取っているか、よく噛んで食事をしているか、など普段の食生活を見つめ直し、心と体に良い食事をするようにしましょう」
また、体の状態にあわせて、体を温める食べ物を食べる、体を冷やす食べ物を食べる、血を補う食べ物を食べる、という風に薬膳の考え方を食事に取り入れるとなおよいですね。