平成21年に農林水産省が行なった都道府県別の「うどん用小麦粉消費量」調査では、1位・香川県、2位・埼玉県、3位・群馬県、4位・愛知県の順でした。
この特集では、うどん店が700軒以上ある香川県での讃岐うどん食べ比べを皮切りに、各地の名物うどんと名店、うどんの歴史、家庭で出来るうどんの作り方をご紹介しています。
香川県では地元のうどん通にご案内いただき、ご当地ならではの食べ方と本場で作られる冷凍うどん工場の取材から、讃岐うどんの旨さに迫りました。胡麻と味噌を擦ったつけ汁で食べる「冷汁(ひやじる)」は埼玉県ならではの食べ方で、麵の切り幅が広い「ひもかわ」は群馬県の名物です。愛知県には「きしめん」と「味噌煮込みうどん」という、平打ちの麵と独特の調理法による郷土の味があり、大阪では「きつねうどん」発祥の店を訪ねました。30種類以上の各地のうどんを供する、京都の『うどん博物館』は新しい試みです。
また、取り寄せをご案内している秋田県の稲庭うどん、富山県の氷見うどん、長崎県の五島うどんは、もともとは手で細くのばして作る、手延べうどんと呼ばれるものです。伝承料理研究家の奥村彪夫先生によると、うどんの製法としては手延べが最も古く、庖丁による麵切りは鎌倉時代末期に京都の禅寺で誕生し、江戸時代に全国へ広まりました。
名店を紹介する一方、家庭でも簡単にできるうどんの作り方を奥村先生に披露していただきました。順を追って、写真でわかりやすくご紹介していますので、ご家族や友人に振る舞ってみてはいかがでしょうか。
稲荷寿司の油揚げをのせたことに由来する、大阪『うさみ亭マツバヤ』のきつねうどん(撮影/多賀谷敏雄)