写真はイメージです。

文/鈴木拓也

固くなった背中の筋肉をゆるめる

首・肩のコリ、腰痛、ぽっこりお腹など、多くの人が悩んでいる身体の不調。

筋トレやストレッチをしたり、整体に通っても、改善されない人もまた多い。

実はこうした不調は、「背中が固くなっている」せいだと指摘するのは、犬飼奈穂さん。歩き方コーチとして、これまで6千人以上に「心地よい歩き方」を指導してきた方だ。

豊富な経験から犬飼さんは、「体の緊張をほぐして、背中の筋肉をゆるめる」ことが大切だと、著書『背中をゆるめると健康になる』(プレジデント社)で説く。

犬飼さんによれば、「ゆるめる」の反対が、がんばって筋トレする、がんばって胸を張って歩くといった、「がんばる」こと。これでは、背中はますます固くなり、悪化するばかりだという。

本書には次の説明がある。

背中の周囲の筋肉が不自然に引っ張られるので、肩こりや巻き肩、腰痛、O脚などを誘発し、呼吸も浅くなります。筋肉が固くなると血流が滞り、リンパの流れも悪くなって、代謝も下がります。体はどんどん元気を失っていきます。(本書4pより)

そのため、背中をゆるめるための様々なセルフケアが、本書に掲載されている。その一部を今回は紹介しよう。

腕の骨を本来の位置に戻す

1つめは「手のひら返し」。前にねじれてしまった腕の骨を正しい位置に戻す効果がある。すぐできて、まったく難しくはないので、下の説明を見ながらやってみよう。

1.  両腕を曲げ、手のひらを上にする。このとき、腕は肩からまっすぐおろし、ひじは体の真横で曲げる。肩は上げず、脇は開かないよう注意。

2. そのまま手のひらを下にする。肩の付け根が開くのを意識する。

このあと本書では、「両腕ひねり」、広背筋をゆるめる「小さく腕グルグル」などのセルフケアへと続き、こわばった背中をゆるめていく。

歩行時の手のふり方でゆるめる

犬飼さんが、本書で一番伝えたいことは、「ただ歩くだけ」の重要性だ。そのポイントは、「背中の筋肉を使って歩く」というもの。

この点については、次のように解説がなされている。

私が街中やレッスンで拝見する限り、体の前側だけを使って歩いている人がとても多いです。歩くとき、人は前へ前へと足を進めていくので、背中のことなどを意識していません。でも、「背中! 背中!」と、背中を意識して歩いてみてください。背中に意識を向けるだけで大きく変わります。
背中の筋肉を使って歩くことができると、それだけで背中が勝手にゆるんでいきます。(本書98~99pより)

そうした歩き方の最大のコツが、腕を後ろにふるというもの。具体的には以下のよう練習する。

1. いいバランスで立ち、小指と薬指を軽く曲げる。

2. みぞおちに手を当て、みぞおちを中心に体をぐっと後ろにひねるようにして、腕を後ろにふる(動作の習得なので、実際に歩くときは、みぞおちに手を当てない)。肘窩(ちゅうか:腕の内側にある浅いくぼみ)と骨盤は正面を向いたまま、肩の関節ごと後ろにふるように。

詳細は本書に譲るが、このあと歩き方の指南がなされている。基本的には、踏み出した足はかかとから着地し、足の裏全体を使って重心を移動するというもの。巻末の二次元バーコードより、LINEの動画にアクセスできるので、正確な練習を習慣づけるとよい。どのセルフケアも短時間で簡単に実践できる。毎日続けて、つらい不調から脱出しよう。

【今日の健康に良い1冊】
『背中をゆるめると健康になる』

犬飼奈穂著
プレジデント社

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文/鈴木拓也 老舗翻訳会社役員を退任後、フリーライターとなる。趣味は神社仏閣・秘境めぐりで、撮った映像をYouTubeに掲載している。

 

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