皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第58回のテーマは、「気圧頭痛を和らげる漢方薬」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。
気圧頭痛の原因とは?
寒暖差や湿度、気圧などの気象の変化による体調不良を気象病といいます。季節の変わり目や湿気の多い時期によくみられ、体だけでなく精神面にも不調が出ることがあります。
そして、気象病のなかでもとくにつらいのが気圧頭痛です。気圧頭痛は、むくみにより血管が拡張し、周囲の神経を刺激することで起きます。頭痛だけでなく、疼痛や関節痛、倦怠感や吐き気、めまいなどの自律神経症状を誘発することもあります。
漢方医学では、気圧頭痛が起きる原因を以下のような体質にあると考えています。
・水滞(すいたい)
汗や体液など、血(けつ)以外の水分である「水(すい)」の巡りが悪くなっている。
・痰飲(たんいん)
余った水分が体の様々な部分に停滞している。
・血虚(けっきょ)
栄養素の「血」が不足し循環も滞っている。
昔から天気と体調は深い関係があると考えられていました。東洋医学では体外からやってくる病因を「外邪(がいじゃ)」と表現しますが、気温や湿度、気圧の変化も外邪にあたり、それが体のバランスを崩す原因のひとつになります。
とくに水滞は雨や台風などの天候で頭痛が悪化しやすく、頭にものが乗っているような頭重感、めまい、だるさを伴います。
今回は、そんなつらい気圧頭痛の症状を和らげ改善してくれる漢方薬を紹介します。
気圧頭痛を和らげる漢方
ここからは、気圧頭痛の症状を軽減して苦痛を和らげる漢方薬を紹介します。
気圧頭痛は、体の水分や自律神経のバランスの乱れが原因とされています。気圧頭痛の改善には、「水分の循環をよくして頭痛の原因となる脳のむくみを解消する」「自律神経のバランスを整える」などの働きがある生薬を含む漢方薬を選びます。
漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に副作用が少ないといわれています。さらに、西洋薬とは異なり、痛みの症状だけでなく根本改善を目的としているという特徴もあります。
それぞれの漢方の効能や、どんな人におすすめかも併せて解説していきます。
1.低気圧による不調に五苓散(ごれいさん)
五苓散は体内の水分バランスを整える代表的な漢方薬です。五苓散には、利尿や発汗を促し、水滞を改善する働きがあります。これを利水作用といい、血管拡張を抑え、自律神経の乱調も改善されるので、気圧頭痛によく用いられます。
2.めまいや立ちくらみに苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
苓桂朮甘湯は五苓散と同じく水滞を改善する漢方薬で、体力がない人にも用いられます。頭痛のほかにめまいや立ちくらみ、あるいは動悸を感じる人に向いています。
3.冷えからくる頭痛には呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
冷え性で体力が低下している人に向いた漢方薬で、繰り返し起こるタイプの頭痛に適しています。ズキズキと痛みが強く、吐き気などを伴う頭痛に向いていて、体を温め頭痛を改善します。筋肉が収縮して起こる緊張型頭痛にも用いられます。
漢方は体質との相性で正しく選ぼう
漢方薬は、西洋医学とは異なる観点から治療を進めていきます。特徴的なのは、患者の体質を重んじて処方を決定する点です。
「東洋医学は病気ではなく病人を診る」と例えられる通り、体全体のバランスを整え改善を目指します。病気の原因がハッキリとわからない場合や、病気の前の状態、「未病」にも対応できます。
人それぞれの体質に合わせた適切な漢方薬を処方するには、知識と経験が必要です。医師や薬剤師といった漢方のプロであれば、効き目を見ながら処方を調整することもできます。
「もう少し気軽に漢方薬を使う方法はないの?」という人におすすめなのが、あんしん漢方というサービスです。「健康実現」をテーマに掲げ、病状緩和と根本改善を目指します。それぞれ異なる人の体質・症状をきちんと診たうえで、適切な処方を行います。
「利用者の80%以上が1か月以内に効果を実感している」というデータもあり、満足度も非常に高いサービスです。まだ本格的に漢方を使ったことのない初心者にも導入しやすく、気軽さと信頼性を両立しています。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0133
気圧頭痛が起きたらまずは休息を
天候の変化による気圧頭痛は、血管拡張による神経への作用が原因のひとつで、季節の変わり目や湿度の高い時期に症状が出やすい傾向があります。
頭痛が起きた場合は安静が原則です。ゆったりとした服装で症状が収まるまで無理せずに体を休めましょう。
さて、次回は「冷え性に効く漢方薬」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
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