皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第24回のテーマは、「体質傾向別(4)湿熱って? 」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。

湿熱とは?

漢方医学における「湿熱」とは、体を冷やす「湿(水)」と、体を温める「熱」という本来相反するものが合わさり、ドロドロ・ネバネバとした状態になること。湿熱は、気や血(けつ)の巡りを邪魔し、様々な不調を引き起こします。

湿熱は水分代謝が悪い状態なので、体に熱がこもってしまい、湿気の多い梅雨、暑い夏にも体調を崩しやすくなります。

湿熱体質の人は、辛いものや脂っこいものを好んでよく食べ、些細なことでイライラし怒りっぽい性格です。体型はやや太り気味の人が多く、代謝も悪い状態です。

続いては、湿熱に見られる代表的な症状をさらに詳しくみていきましょう。

湿熱に見られる症状

湿熱の人は、脂ぎっている顔でニキビができやすく、口臭も目立ち、口のなかに苦味を感じます。また、暑がりで、じっとりとした汗をかきます。

さらに、舌を見るとぼってり厚く、色は赤みがかっています。舌苔(舌の表面にある苔状のもの)は黄色くべったりしています。

比較的皮膚のツヤは良いものの、湿疹が出て、傷や湿疹が化膿しやすいという特徴があります。また、尿は量や回数が多く、便には粘り気があります。おならがよく出てニオイも強めです。

また、湿熱は多くの生活習慣病を引き起こします。糖尿病や高脂血症、心筋梗塞や動脈硬化症など、重病の原因になるので注意が必要です。

湿熱になってしまうのはどうして?

湿熱は暴飲暴食が主な原因です。体内に余分な水分と熱が生じている状態で、これは気と血の巡りを悪くします。湿熱は体の様々な場所に滞留し、その部分が悪くなっていくのです。

食べすぎ飲みすぎは避け、腹八分目を意識しましょう。味の濃いもの、カロリーの多いもの、刺激物も摂りすぎないように気をつけてください。

湿熱体質の人は適度に発汗することが大事ですが、サウナは向きません。汗をかくと、体にとって大事な「津液(血液以外の水分)」が排出されてしまうため、余計に湿熱が悪化してしまいます。

汗をかくなら、無理をしすぎない程度にランニングなどを行うといいでしょう。

湿熱の改善におすすめの漢方薬

湿熱を改善するには漢方薬もおすすめです。「口が乾く」「イライラしやすい」「手足がほてる」「便が乾燥気味」の人は、体の中の水分を調整することで、症状の根本改善が目指せるでしょう。

湿熱の場合、体の60%を占める水の巡りを改善し老廃物や毒素を排出する利尿作用や、便と一緒に余分な水分や脂質を排出する瀉下作用などを有する生薬を含む漢方薬がおすすめ。これらのなかから、症状や体質に合わせて選ぶことが重要です。

ここからは、湿熱体質の人におすすめの漢方薬を3つ、作用や効能の部分も含めてご紹介します。

湿熱に悩む方におすすめの漢方薬

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):
暴飲暴食などによる体の余分な熱を取り除き、血流や水分代謝を促し、便や汗などで不要物を体外へ排出して、体を軽くします。肥満症のほか、湿疹やニキビ、皮膚炎など肌の症状にも役立ちます。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう):
体の余分な熱を取り除き、炎症を鎮めます。のぼせや湿疹、皮膚炎のほか、不眠症、神経症にも用いられます。

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう):
気の停滞による熱を抑えることで、排尿時の痛みや残尿感、陰部のかゆみなど、膀胱や生殖器に関するトラブルを改善します。下腹部に熱感や痛みなどがある場合に用いられます。

漢方には、体質を判断するためのものさしがあります。今回解説している湿熱のように、人によって体質は様々で、処方の内容も変わります。適切な診断と処方であれば、症状の素早い治療や、体質の根本改善を目指すこともできます。

そのためには、漢方を一から学んだ医師や薬剤師による処方が最適です。最近は、『あんしん漢方』のようなスマホでも気軽に利用できるオンライン漢方サービスが人気で、家にいながら質の高い漢方治療を行える点が評価されています。

『あんしん漢方』は、症状と体質をきちんと見極め、それぞれの人に合う漢方薬を処方してくれます。副作用が心配な人や、西洋薬を減らしたい場合にもおすすめのサービスです。漢方に精通している薬剤師によるオンライン個別サポートもあるので、不安を感じた場合でもすぐに解消できます。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0099

湿熱は食べすぎや生活習慣に気をつけて適度な運動を!

湿熱は、水分代謝が低下し、熱も持っている状態です。肌荒れや便通の不調、糖尿病や高脂血症などの原因になる場合もあります。主な原因は食生活の乱れで、食べすぎないよう注意し、運動も適度に行いましょう。

また、漢方薬も体質改善に役立ちます。漢方薬は自分の体質やタイプに合ったものを選ぶことにより効果が発揮されるので、まずは専門家に相談することをおすすめします。

次回のテーマは「体質傾向別(5)血虚って? 」です。ぜひご覧ください!

<この記事を書いた人>


あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
竹田由子
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。
患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0099

 

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