皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第44回のテーマは、「鼻に効く漢方薬」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。

鼻の症状には漢方薬がおすすめ

つらい鼻の症状には漢方薬がおすすめです。体のバランスを整え改善していくのが漢方の基本的な考え方であり、長引いてなかなか治りにくい慢性化した症状にも向いています。

まずは、代表的な鼻の症状についてみていきましょう。

1.鼻水

鼻水は鼻炎の症状のうちのひとつです。鼻粘膜に起きる炎症で、大きくわけて急性鼻炎、慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎などがあります。

急性鼻炎ではウイルスや細菌に感染し、粘膜に炎症が起きます。慢性鼻炎は粘膜の炎症が長く続き慢性化したものです。

そして、アレルギー性鼻炎は異物に対する過度なアレルギー反応によって起こる鼻炎です。ホコリや花粉、ハウスダストなどがトリガーとなって起こり、症状がひどくなると、集中力が落ち、イライラするなどの精神的苦痛を生じます。

2.鼻づまり

鼻づまりの原因は、主にかぜやアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)などの鼻粘膜の腫れ、そして鼻骨や軟骨の変形の2つに大別されます。

かぜやアレルギー性鼻炎などが原因の鼻づまりは、炎症で粘膜が腫れ、通り道が狭くなることで起きます。鼻水自体が鼻づまりの原因になることはほぼありません。

しかし、副鼻腔炎が原因の鼻づまりの場合は異なります。副鼻腔炎になると、黄色や緑のベタベタした粘性の高い鼻水が出るので、鼻水が鼻づまりの原因になります。

3. 花粉症

花粉症は季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれ、くしゃみや鼻水が起きる病気です。植物の花粉を原因とし、年々患者が増えていることから、現代病ともされています。

一般的には春先がピークですが、春に飛散するスギやヒノキ以外にも、4月~10月に飛散するイネ、8月から秋冬にかけてはブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど、一年を通して花粉症の原因物質は舞っています。

喉や鼻の粘膜に効く漢方薬

先ほど紹介した「鼻水」「鼻づまり」「花粉症」の症状に対しておすすめの漢方薬をご紹介します。

漢方薬のなかには、「鼻水」「鼻づまり」「アレルギー性鼻炎」「慢性鼻炎」「蓄膿症」などに効果が認められているものがあります。

鼻のトラブルには、「免疫力を上げる」「血流をよくして鼻の粘膜を強くする」「水分の循環をよくして鼻水を改善する」「鼻の粘膜の炎症を和らげる」などの作用により改善を目指します。

また、漢方薬は自然由来の治療薬として、鼻水や鼻づまりなどの症状の回復だけでなく、心と体全体を根本改善することを得意としています。

1.鼻水には小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

水っぽい鼻水が止まらない場合や、アレルギー性鼻炎に最適です。体の「水」をコントロールし、余分な水分を排出して水分代謝を正常にしつつ、体を温めていきます。

体力が中等度、もしくはやや虚弱な方に向いています。眠くなる成分が入っていないのも使いやすい理由です。

2.鼻づまりには葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

鼻づまりは、余分な「水」が鼻にたまることによって起こります。葛根湯加川芎辛夷は、余分な水を発散し、慢性化した鼻炎や、副鼻腔炎に対しても用いられます。

3.花粉症には辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)

抗炎症作用がある漢方薬で、鼻の乾燥や、ドロッとした粘性の高い鼻汁、鼻の閉塞感に向いています。体に熱感があったり、頭痛を感じたりする場合に服用します。

また、花粉症だけでなく、蓄膿症、慢性鼻炎にも用いられます。

漢方は体質との相性で正しく選ぼう

漢方薬は西洋薬に比べて副作用が少ないことで知られ、慢性症状に対してもアプローチすることができます。漢方薬の基本理念は、体の全体のバランスを整え偏りをなくすことです。

「気血水」など、西洋医学にはない独自の考えをもとに、体の状態を分析し、その人に合った適切な薬を処方する、いわばオーダーメイド型の医療です。

そして、漢方治療には、漢方に対する正しい知識を持った医師、薬剤師の診断も重要です。いくらいい漢方薬でも、正しい診断と処方が行えなければ効果が出ないどころか、思わぬ副作用が起きる場合もあります。必ず医師や薬剤師の診断を受けましょう。

最近は、ネットで診察から薬の購入までを完結できるあんしん漢方というサービスも登場し、注目されています。手軽に家で漢方薬を購入できるので、「通院による感染リスクが心配」という方にもおすすめです。

必要に応じて漢方アドバイザー(医師)の診察も受けられるため、実際の病院に通う感覚で漢方薬治療を行えます。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0119

つらい鼻の症状には漢方薬がおすすめ

鼻の症状は、不快なうえに集中力も低下するので厄介です。とくに、季節の変わり目は体のバランスを崩してしまいがちなので要注意。

早寝早起きでしっかり栄養も摂り、生活リズムを正常にしたうえで、今回ご紹介した漢方薬も併用しながら、うまく悩みを解決していきましょう。

さて、次回は「睡眠に効く漢方薬」です。ぜひご覧ください!

<この記事を書いた人>


あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
竹田由子
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。
患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0119

 

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