腰痛や坐骨神経痛にともなって、股関節が痛んだり、つまるような違和感を感じたりすることがあります。
このような症状は、股関節周辺や深部の筋肉をストレッチすることで改善することができます。
その方法を解説します。
この記事は、前回記事:股関節のつまりや痛みをスッキリ! 深部の筋肉をほぐして楽になる方法(https://serai.jp/health/1086426)の続きです。
あわせてお読みいただくとより効果があると思いますので、ぜひご一読ください。
前回のおさらい
股関節が痛んだりつまるような感じがしたりする原因には様々なものがありますが、その原因になりやすいのは中殿筋と小殿筋です。
この図は骨盤と股関節を左横から見た図です。図の左側が体の前方(お腹側)、右側が後方(おしり側)になります。
中殿筋と小殿筋は、この図のように骨盤から股関節につながる扇のような形をした筋肉で、股関節の一番奥に小殿筋があり、その上を覆うように中殿筋があります。
どちらも股関節を動かしたり支えたりする筋肉です。
これらの筋肉は、
■長時間座りっぱなし、または立ちっぱなし
■運動不足
■筋力低下
などが続くと徐々に緊張してこり固まってしまいます。
すると段々股関節を動かしづらくなってきてつまり感を感じたり、さらに進むと痛みを感じるようになってしまいます。
これが股関節の痛みやつまり感の正体なのです。
股関節の痛みやつまり感を改善するストレッチ
中殿筋や小殿筋の緊張、つまり、こり固まった状態が痛みやつまり感の原因であれば、そこをストレッチすることで改善することができます。
ストレッチをする前には、中殿筋と小殿筋をほぐすとより効果的です。前回の記事を参考に、テニスボールなどを使ってほぐしてみてください。
中殿筋や小殿筋のストレッチには様々な方法がありますが、筆者の腰痛トレーニング研究所(https://www.re-studio.jp/index.html)では、以下のような方法をおすすめしています。
こちらを参考におこなってみましょう。
イスに座っておこなう中殿筋ストレッチ
イスに座っておこなう中殿筋ストレッチです。このストレッチは中殿筋をはじめ、大殿筋やハムストリング、梨状筋などにも効果があります。
自宅で出来る!腰痛トレーニングDVDより(https://www.re-studio.jp/dvd.html)
足の裏がしっかりつく高さのイスに、やや浅めに腰かけます。
片方の足首を、反対の膝に乗せます。
そのまま上半身を股関節から前に倒します。
背中や腰は丸め過ぎず、胸を脚に近づけていきます。
適度にお尻の筋肉が伸びたところで止め、30秒~1分ほど伸ばします。
終わったら上半身をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。
片側2~3回ずつおこないましょう。
※ご注意)痛みのためにこの姿勢ができない、またはこの姿勢をとると症状が悪化する時はやめてください。
イスに座っておこなう小殿筋ストレッチ
足の裏がしっかりつく高さのイスに、やや浅めに腰かけます。
片方の足首を、反対の膝に乗せます。
組んだ脚の膝を手で軽くおさえ、上半身を反対方向にひねります。
上の画像の場合、右の膝を右手で押さえて、上半身を左にひねっています。
上半身をひねったまま、斜め前方向に倒していきます。
股関節から倒すようにしてください。
股関節の中が開くような感覚、またそこから腰の横や背中にかけて伸びるような感覚が出たらそこで止め、30秒~1分ほど伸ばします。
終わったら上半身をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。
片側2~3回ずつおこなってみましょう。
※ご注意)痛みのためにこの姿勢ができない、またはこの姿勢をとると症状が悪化する時はやめてください。
この記事があなたの腰や脚の痛みを改善する一助になりましたら幸いです。
また以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。
正しい座り方とストレッチで腰痛予防! イスに座ったままできるストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第90回】(https://serai.jp/health/1075855)
3分で腰の疲れをとって腰痛を予防! 誰でも毎日できる簡単ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第88回】(https://serai.jp/health/1070834)
腰痛・坐骨神経痛の原因は股関節! 股関節トレーニングで痛みを改善【川口陽海の腰痛改善教室 第81回】(https://serai.jp/health/1057841)
慢性腰痛を改善!誰でも簡単にできて効果的な6つのストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第21回】(https://serai.jp/health/373174)
拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
お読みいただけると幸いです。
文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616 http://www.re-studio.jp/index.html