文/中村康宏、内本菜穂
日本では、今や2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡すると言われています。(国立がん研究センター)
がんは遺伝的要因も大きいとされていますが、食事や生活習慣といった日常的な習慣が危険因子となっていることも多い病気のひとつです。
今回は、がんを予防するために今日から取り組める内容を2部に渡ってご紹介します。
がん予防の考え方
がん予防には一次予防と二次予防の2つの考え方があります。
一次予防ではがんの発生を促進させる要因を除去し、発がんを抑制する食事や生活習慣を心がけ、がんの発症リスクを下げようとすることを言います。
二次予防とは、がんになったとしても定期検診などで早期発見・早期治療し、死亡率を下げようとすることを言います。
定期的な検診と共に、食事や生活習慣に気を配り日常生活での危険因子を取り除きながら、がんを遠ざけることが大切と言えるでしょう。
日常生活におけるがんの危険因子
食道がん
危険因子:飲酒と喫煙
喫煙習慣と飲酒習慣が重なると更にリスクが高まる。
胃がん
危険因子:塩分過剰摂取とピロリ菌感染
塩分過剰摂取でリスク2〜3倍増加。
喫煙、飲酒習慣でリスク2倍増加。
大腸がん
危険因子:脂質過剰摂取
肉や加工肉、脂肪の過剰摂取、多量(毎日2合以上)の飲酒習慣。
肺がん
危険因子:喫煙
喫煙習慣で4〜5倍のリスク増加。毎日30本以上の喫煙でリスクは10倍にものぼる。
乳がん、子宮体がん
危険因子:肥満
肥満、初経年齢が早い、閉経年齢が遅い、出産歴がない、初産年齢が遅いなど。(国立がん研究センター)
発がんを抑制する食事
私達の体の中でエネルギーをつくり出す過程で活性酸素という体を酸化させる物質が発生します。
その活性酸素は、過剰に蓄積すると遺伝子に作用し発がんの要因となります。
活性酸素を過剰に発生させる要因として、喫煙、紫外線、ストレス、暴飲暴食などが主にあげられます。
活性酸素は抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂取することでリスクを減らすことができます。
抗酸化作用のある栄養素は、緑黄色野菜や果物に含まれるビタミンCやE、βカロテン(https://serai.jp/health/1067396)、大豆に含まれるイソフラボン(https://serai.jp/health/1058372)やお茶に含まれるカテキンなどがあげられます。
また、ニンニクやネギ、ニラといった強い香りを持つ野菜や、不飽和脂肪酸を含むイワシやサバなどの青背の魚にも発がんを抑制する栄養成分が含まれています。
野菜不足や肉に偏った食事は控え、毎食の野菜の摂取や魚の摂取頻度を増やすことを意識していきましょう。
次回は、がんを抑制するための生活習慣、がん細胞を攻撃するNK細胞に関して解説します。
文/中村康宏
医師。虎ノ門中村クリニック院長。アメリカ公衆衛生学修士。関西医科大学卒業後、虎の門病院で勤務。予防の必要性を痛感し、アメリカ・ニューヨークへ留学。予防サービスが充実したクリニック等での研修を通して予防医療の最前線を学ぶ。また、米大学院で予防医療の研究に従事。同公衆衛生修士課程修了。帰国後、日本初のアメリカ抗加齢学会施設認定を受けた「虎の門中村康宏クリニック」にて院長。一般内科診療から健康増進・アンチエイジング医療までの幅広い医療を、予防的観点から提供している。近著に「HEALTH LITERACY NYセレブたちがパフォーマンスを最大に上げるためにやっていること」(主婦の友社刊)がある。
【クリニック情報】
虎の門中村クリニック
ホームページ:https://toranyc.com
住所:東京都港区虎ノ門3丁目10-4 虎ノ門ガーデン103
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【お問い合わせ・ご予約】
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