文/中村康宏、内本菜穂
日に日に暖かさが増し、春の訪れを感じる季節になりました。
暖かくなってくると、外出する意欲も増してくるかと思いますが、一方で気になってくるのが紫外線です。
紫外線といえば夏のイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、夏をピークに3月頃から紫外線は増え始めます。
今回は、その紫外線対策におすすめな栄養素や食材をご紹介します。
紫外線による体への影響とは
紫外線を浴びることで受ける障害には、急性障害と慢性障害の2つに分けられます。
・急性障害
日焼けによる炎症や皮剥け、水ぶくれなどが挙げられます。
これらは数週間から長くても数ヶ月ほどで症状は改善されます。
・慢性障害
長年紫外線を浴び続けていると、シミやシワ、白内障、場合によっては良性の腫瘍や皮膚がんなどの原因ともなります。
慢性障害であるシミやシワは加齢による変化と捉えられがちですが、実は紫外線による影響である場合がほとんどです。
したがって、適切な紫外線対策を行えばそれらを防ぐことができます。(環境省)
今日からできる紫外線対策とは
紫外線対策として、帽子を被る、日傘をさす、日焼け止めを塗るなど外側の対策も重要ですが、同時に食事にも意識を向け、内側からケアしていくことが大切です。
紫外線対策のキーワードは「抗酸化成分」
紫外線を浴びることで、私達の体内では活性酸素が生成され、それが過剰になると細胞傷害をもたらし、シミやシワなどの肌老化、がんや生活習慣病発症の要因となります。
そこで、生成された活性酸素を除去し細胞の働きを正常にする為に必要な栄養素が、抗酸化作用のあるビタミンやフィトケミカルです。それらについてそれぞれ説明します。
1.ビタミンA
強い抗酸化力を持ち、免疫力を高めます。皮膚や粘膜の正常化にも効果的です。
人参や南瓜、ほうれん草などの緑黄色野菜、レバーやうなぎなどに多く含まれます。
2.ビタミンC
強い抗酸化力を持ち、たんぱく質と一緒に摂ることでコラーゲンを生成します。肌の弾力やハリを作る効果も期待できます。
パプリカやブロッコリー、グレープフルーツなどの食材に多く含まれます。
3.ビタミンE
強い抗酸化力と血管の老化を防止する作用があります。血行を良くし、冷えの改善や免疫力アップにも繋がります。
南瓜やアーモンド、アボカドなどに多く含まれます。
4.フィトケミカル
植物が紫外線や有害物質、害虫などから身を守るために作り出された色素や香りなどの成分のことを指します。
フィトケミカルは野菜の皮にも含まれる為、野菜は皮を剥かず、皮ごと調理するのがおすすめです。代表的なものは、以下になります。
・カロテノイド(リコピンやアスタキサンチン、βカロテン等)
トマトや南瓜、人参などの緑黄色野菜、エビや鮭などの動物性食品に多く含まれ、強い抗酸化作用を持ちます。
・ポリフェノール(イソフラボン、カテキン、アントシアニン等)
大豆や緑茶、ブルーベリーなどに多く含まれ、活性酸素を除去し、生活習慣病の予防にも効果的です。
外出時間が長くなり、強い紫外線を浴びる機会が増えるシーズンを迎えます。
紫外線を沢山浴びた日は、これらの栄養素を積極的に摂り、早めに対処することで皮膚の正常化や病気のリスクを減らすことに繋がります。
ビタミンやフィトケミカルは体の中に貯蓄することや、自分で生成することができない栄養素です。日常的にこまめに摂るよう心がけましょう。
文/中村康宏
医師。虎ノ門中村クリニック院長。アメリカ公衆衛生学修士。関西医科大学卒業後、虎の門病院で勤務。予防の必要性を痛感し、アメリカ・ニューヨークへ留学。予防サービスが充実したクリニック等での研修を通して予防医療の最前線を学ぶ。また、米大学院で予防医療の研究に従事。同公衆衛生修士課程修了。帰国後、日本初のアメリカ抗加齢学会施設認定を受けた「虎の門中村康宏クリニック」にて院長。一般内科診療から健康増進・アンチエイジング医療までの幅広い医療を、予防的観点から提供している。近著に「HEALTH LITERACY NYセレブたちがパフォーマンスを最大に上げるためにやっていること」(主婦の友社刊)がある。
【クリニック情報】
虎の門中村クリニック
ホームページ:https://toranyc.com
住所:東京都港区虎ノ門3丁目10-4 虎ノ門ガーデン103
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