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「鮨たけ」のまぐろ。

「鮨たけ」のまぐろ。

「江戸前」とは東京湾で獲れた活きの良い魚介を握ったすしを言うだけではありません。まぐろは漬けにし、こはだは酢〆めにし、あなごは煮るといった、それぞれに仕事がしてあることが「江戸前」の要件です。

つまり「江戸前」とは、「自前」「お点前」「男前」等の「前」と同じく、流儀やスタイルのことなのです。となれば、九州は宮崎県延岡に「江戸前」があってもおかしくはありません。「鮨たけ」さんは、そんな「江戸前」のお店です。

「江戸前」の仕事のひとつに、握りの姿があります。昔から「扇の地紙の形に握れ」というのが、江戸前のすし職人に伝えられてきた流儀です。

例えば、まぐろ。握るために切りつけた寸法(長さ)は2寸5分です。約7センチ。この大きさの魚介を握れば、3寸の舌の上に一口でのるというわけです。

ですから、まぐろばかりが京都の帯のように長くては、見た目ばかりか酢めしとのバランスも悪く、口に入れた時にまぐろばかりが残って美味しくありません。すし種と酢めしが一緒になくなってこその「握り」なのです。

その点「鮨たけ」の握りは立派な「江戸前」です。まぐろもかつおもえびとても美しい姿をしています。

かつお。

かつお。

えび。

えび。

さらに、軽く茹でた小いかの中に具を和えた酢めしを詰めた「いかの印籠詰め」は、江戸前のすしには欠かせないもので、今や東京でも珍しくなった懐かしい仕事です。

いかの印籠詰め。

いかの印籠詰め。

【鮨たけ】
住所/宮崎県延岡市中央通2-3-4フジモトビル1F
TEL/ 0982-35-3920
営業時間/[火~木・日] 18:00~24:00 [金・土] 18:00~翌2:00
定休日/月曜日

文/山本益博
料理評論家・落語評論家。1948年、東京生まれ。大学の卒論「桂文楽の世界」がそのまま出版され、評論家としての仕事をスタート。TV「花王名人劇場」(関西テレビ系列)のプロデューサーを務めた後、料理中心の評論活動に入る。

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