ロゼワインは魚だけでなく、鶏や豚といった白い肉にも合う。銀座などでフレンチビストロを経営する、オザミワールドの丸山宏人さんはこう解説する。
「ロゼにはタンニン、つまり苦みがあるので、料理にはハーブやスパイスを使うと合わせやすくなります。例えば鶏肉なら塩で素材の味を生かしつつ、山椒やタイム、カレー粉を加える。また、バーベキューやピクニック料理全般にも合わせやすい。炭火で焼いてスモーク香のついた肉、鶏の空揚げやハムのサンドイッチも好相性です」
オザミワールド
丸山宏人さん
昭和38年、東京都生まれ。『オザミデヴァン』など都内に10店舗のレストランを持つオザミワールドの代表。料理修業のため渡仏するもワインの魅力にとりつかれてソムリエに。柔軟な発想でワインと料理の楽しみ方を提案。
さらに、ワインと食材の色調を合わせる方法もある。サーモン、桜海老、桜鯛、野菜ならトマトなど、ロゼと同系統の素材を選べば、すんなり調和してくれる。より具体的にロゼワインと相性の合う料理を丸山さんに考案してもらった。
用意したのは日本の『ももいろメルロー』。AISSYの分析によれば、このロゼは苦み(タンニン)の要素が大きい。ワインと料理、それぞれの分析結果によるグラフを重ねてみると、五味の数値がバランスよく大きくなり、味わいに膨らみが出る。ソムリエは、互いに不足する要素を補い、味の構成力が高まるよう絶妙の相性を考案するのだ。可視化された結果を参考に、ロゼワインの新たな楽しみを見つけたい。
シャトー メルシャン(日本)
『ももいろメルロー』
1790円(参考価格)
長野県桔梗ヶ原で栽培されたメルローが主体。そこに日本独自のブドウ品種マスカット・ベリーAを加えた。ミントやタイムなどハーブの香りが若干あり、メルローの程よいタンニンと調和。軽やかな酸味もあるので、爽やかに楽しめるロゼだ。
メルシャン
電話番号:03・3231・3961
ウェブサイト:http://www.mercian.co.jp/