夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。金曜日は「美味・料理」をテーマに、福澤朗さんが執筆します。
文・写真/福澤朗(フリーアナウンサー)
商売道具である声を守るために、喉の管理は怠りません。つい絶叫系の曲を歌ってしまうのでカラオケにもいかないようにしています。
そんな私が一年中手放せないものが、喉を守るとろとろ飲料です。アサヒ飲料の「濃い目のカルピス」や不二家の「ネクター」など。
番組やイベント司会などで声を張ることがあるのですが、そのようなときにとろとろ飲料を傍らに置いて喉を潤しながら進めています。常温でゆっくり流し込むと、とろとろの液体が喉にまとわりつき、保湿されている実感があるのです。ちなみにカルピスウォーターではとろとろ感が緩く、「濃い目」がオススメです。
夏は家族で集まって賑やかに騒いだり、海辺やプールサイドで大声で話したりと、夏のほうが冬より大きな声を出している気がします。また、お酒を飲んで酔っ払うと聴力が落ちるせいか、皆、声が大きくなります。冬の乾燥とともに夏も喉を傷める要因があるわけです。
舞台俳優さんは喉を守るために、楽屋では加湿器の前で声の調子を整えるのが常だといいます。そしていよいよ声が出なくなると、生肉(馬刺しユッケ)を喰らうといいます。生肉の油分をゆっくり飲みながら喉を潤すわけです。
スタジオや舞台というのは空気が汚れていることが多いので、私ものど飴などを常備しています。声の調子が悪い時は油分を流してしまう烏龍茶などは飲まないほうがいいですね。
冬寝るときは加湿器に加え、マスクをしてタオルを首に巻き、喉を保護します。夏は、寝る直前にエアコンを切って、ゆるく扇風機をかけて氷枕を使って寝ています。喉も肌の一部ですから、一にも二にも保湿が必要。エアコンの風は大敵です。
近年のヒット作は「龍角散ダイレクト」。これを寝るときに舌先においてのみ込まずに眠るのです。じわじわと喉に広がり、調子が悪かった喉が、翌日には復活します。これは素晴らしい! 声が出ないと仕事になりませんし、高低差のあるハリのある声を出さないと伝達能力が落ちます。料理人が毎日包丁を研ぐように、細心の注意で喉を守ることを心掛けています。
文・写真/福澤朗(フリーアナウンサー)
昭和38年、東京都生まれ。昭和63年、早稲田大学第一文学部を卒業し、同年、日本テレビ入社。在局中はアナウンサーとして、数々のヒット番組に出演。また「ジャストミート」「ファイヤー」等の流行語も生み出した。2005年7月、フリーアナウンサーに。趣味は、日本酒、鉄道、和菓子屋巡り。特技は卓球。