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文/小坂眞吾(サライ編集長)

日本酒、特に純米酒の美味しさに目覚めて20年近く。毎週末、酒屋に通って一升瓶を2本仕入れるのが恒例になっている。その酒屋で最近気になっているのが、レジ前に置かれた缶詰だ。

スーパーで見かけるようなものではない。牛すじの赤ワイン煮込みとか、燻製締め鯖とか、下町の粋な居酒屋で出てきそうなものばかり。つまり、左党専用の缶詰なのだが、これが年々、種類も流通量も増えているようなのだ。

明治屋の「おいしい缶詰」は、この左党向け缶詰の代表格。この春、新たに発売された3商品を、日本酒のアテとして試食してみた。

明治屋「おいしい缶詰」シリーズの、この春の新商品3種。手前から「国産金目鯛のブイヤベース風」85g 600円、「桜肉ユッケ風」90g 450円、「豚肉の黒酢角煮」75g 450円(価格は税抜)。合わせた日本酒は、たまたま自宅にあった広島・亀齢酒造の「萬事酒盃中 おりがらみ」。精米歩合80%の純米生酒。20%しか削っていないのに、雑味はほとんど感じられない。米そのものの旨みと適度なキレ、わずかな渋みが絶妙な調和を見せる。これで一升2000円ちょいというのは、驚異です。SONY/α7Ⅱ+Carl Zeiss Jena DDR Flektogon 35mmf2.4

手前から「桜肉ユッケ風」「国産金目鯛のブイヤベース風」「豚肉の黒酢角煮」。器は順に清の染付、古唐津、古伊万里。こうやって盛り付けると、缶詰には見えないでしょ? SONY/α7Ⅱ+Carl Zeiss Jena DDR Pancolar 50mmf1.8

まずは「豚肉の黒酢角煮」。サイコロ状にカットしたバラ肉を、甘辛の醤油だれで煮込んだ酒肴だ。肉を口に含むと、噛むまでもなくホロホロと崩れ、黒酢のまろやかな酸が口中に広がる。酸と甘みがほどよく立った、最近流行りの生酒と相性が良さそうだが、さらに嬉しいのは、うずら卵が入っていること。

小生、子供の頃から、うずら卵に目がない。編集部のある神保町には、うずら卵だけを大皿に盛って出す中華料理店があったのだが、昨年閉店してしまった。以来、うずら卵にありつく機会は激減している。

続いて「国産金目鯛のブイヤベース風」。骨ごとぶつ切りにした肉厚の切身が3切れ。身は締まっているのに骨は柔らかく、なんの抵抗もなく咀嚼できる。スープも、金目の骨から滲み出た旨味が深い余韻を残す絶品。たかが缶詰と侮るなかれ。シャルドネでもソーヴィニョン・ブランでも、辛口の白ワインなら何でも合いそうだが、日本酒なら白麹で仕込んだクエン酸系の酸が乗った日本酒が良さそうだ。

最後に「桜肉ユッケ風」。見た目はコンビーフに似ているが、全くの別物。優しい味付けで、ほんの少しだけピリっとくる。この「ちょいピリ」が、酒呑みにはたまらない。酒肴の王道である。日本酒を合わせるなら、米の旨みがたっぷり乗った、濃醇な純米酒。今回たまたま自宅にあった精米歩合80%(!)の純米酒「萬事酒盃中 おりがらみ」(広島・亀齢酒造)が、まさにぴったりだった。

「ユッケ風」とあるので、うずらの黄身を落として食べてみたかったんだけど、あいにくうずら卵は冷蔵庫になく。そういえば最近、うずら卵を買う機会が減りましたね。久しぶりに買ってみようかな。

文/小坂眞吾(サライ編集長)

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締め切りは2018年5月30日(水)いっぱいです。当選者の発表は商品の発送をもって替えさせていただきます。

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