焼酎の香りと味がストレートに楽しめるのが“ロック”。素材の芋、麦、米の風味がしっかりある6本を提案する。まずは氷をグラスいっぱいに入れ、焼酎を氷にはわせるように少しずつ注ぐのがコツ。目安はグラスの半分。マドラーでゆっくり混ぜたら完成だ。濃いと感じたら徐々に水を加えて割っても。食中酒から、食後にじっくり酒と向き合ってもよし。

池の露 紅はるか【芋焼酎】/天草酒造(熊本県天草市)
飲むスイートポテト。甘さがあるのに、キレがいい
25度720mL/1650円
●さつまいも(べにはるか)
●米麴(白麴)
農業から始まる芋焼酎造りを目指し、さつまいもは自社栽培と契約農家のべにはるかを使用。ほかの品種より甘みがずば抜けて強く、圧力を少し抑えて蒸留し、りんごのような香りを引き出している。「地元では旨みのある地鶏・天草大王の焼き鳥と合わせるのが定番」と蔵元の平下豊さん。ジューシーな肉料理を支える、味の強さもある。
天草酒造 電話:0969・46・2013
大和桜 紅芋【芋焼酎】/大和桜酒造(鹿児島県いちき串木野市)
野菜の甘みが似合う、クリアな味わい
25度720mL/2000円
●さつまいも(ベニサツマなど紅芋3種)
●米麴(白麴)
徹底した芋の処理、もろ蓋で手造りの麴、全量甕仕込みなど、先代から受け継がれた造りに真摯に取り組む5代目若松徹幹さん。クラフトマンシップの塊だ。3種の紅芋から引き出された気品のある香りと果実のような甘みは、野菜の甘さと相性抜群。夏は、茄子の揚げだしやししとうの炒め物など。蔵ではソーダやコーラ割りも推している。
大和桜酒造 電話:0996・36・2032
蔵の師魂 The Orange【芋焼酎】/小正醸造 (鹿児島県日置市)
グラスに注いだ瞬間に強く立ち上るオレンジ香
25度720mL/1705円
さつまいも(コガネセンガン)
米麴(黒麴)
明治16年に鹿児島市で創業、島津家が崇敬した八幡神社の酒造りからはじまった老舗酒蔵による香り弾ける芋焼酎。新鮮なコガネセンガンをあえて完熟させ、蔵独自の単式横型蒸留器による常圧蒸留で造る。柑橘香を表す成分モンテルペンアルコールを強調し、濃い旨みをもちつつ、飲み口は軽快で、後口のキレもよい。
小正醸造 電話:099・292・3535

富乃宝山【芋焼酎】/西酒造(鹿児島県日置市)
いつまでも飲み続けたい爽やかな香りと深い旨み
25度720mL/1729円
●さつまいも(コガネセンガン)
●米麴(黄麴)
芋焼酎でありながらすっきりとし、透明感のある味。いつ飲んでも飲み飽きない焼酎だ。柑橘のような香りがシンプルな料理を呼び、白身魚の刺身、だし巻きたまご、鶏の塩焼きなどと相性がいい。軽快さの秘訣は黄麴仕込み。低温でじっくり仕込んだもろみを、雑味を抑えながら蒸留し、コガネセンガンの持ち味を最大限引き出している。
西酒造 電話:099・296・4627
特蒸泰明【麦焼酎】/藤居醸造(大分県豊後大野市)
ひと口目からガツンとくる麦チョコ風味
25度720mL/1650円
●麦(二条大麦)
●麦麴(白麴)
「麦焼酎はかくあるべし」と蔵が主張する力強い麦とチョコレートのようなフレーバー。合わせる料理も、鰻の蒲焼、鶏のから揚げ、焼き鳥(タレ)などしっかり味がおすすめと3代目の藤居淳一郎さん。飲みごたえのある味は、伝統の仕込みを受け継ぎ、蒸留器は目指す味を出すように地元の鉄工所にオーダーメイドしている。
藤居醸造 電話:0974・37・2016
Shirayuri inui44【泡盛】/池原酒造(沖縄県石垣市)
圧倒的な力強さ。唯一無二の香りに魅せられる
44度720mL/4290円
●米(タイ産米)
●米麴(黒麴)
スモーキーな香りとキレ、熟成感と甘みもある骨太な味わいだ。力強さの素は麴で、戦前に使われていた黒麴“イヌイ菌”を使い、粗濾過で仕上げてこの味が生まれる。さらにオーダーメイドの蒸留器で直火蒸留するため、香ばしさがあふれる。「ロックならチーズやチョコレート。原酒なのでソーダで割っても」と3代目の池原優さん。
池原酒造 電話:0980・82・2230











