定番ソースと、火加減、塩加減。覚えれば、家パスタが驚くほどおいしくなる魔法の法則を教えます。今回はプロの味を見習いたいクリームソースのレシピです。
クリームソースが軽やかになる黄金比

ひと口目にはレモンの香りがふわり。コツはソースに加える水。ソースを軽やかにし、果実の酸味と皮の苦みで最後まで食べ飽きない、大人の味だ。
クリームソースと聞くと、ボリュームのある味を想像するが、小倉シェフのソースは、キレがあって爽やかな余韻が残る。
「クリームソースには素材の黄金比があります。その比率を守れば軽やかに仕上がります」と小倉シェフ。その黄金比とは、バター、生クリーム、水を同量使うことだ。特に同量の水を加えると乳脂肪分の濃度が下がり、さらりとしたソースになる。火にかけ、バターが溶けたら、しばらくふつふつとした状態を保って乳臭さをとばせばよい。このときソースはシャパッとした感じのゆるめ。油脂は温度が下がると固まるので、食べごろにちょうどいい加減になる。
今回はさらにレモン汁を加えて爽快感をアップ。加えるタイミングはパスタをソースで和えるときだ。レモンの香りと酸味がとばないうちに手早く混ぜ合わせ、パルメザンチーズで旨みを足せば完成。ちなみにチーズも同量の20g だ。盛り付けてレモンの皮を散らせば、キレのある大人味に仕上がる。
材料( 1人分)

パスタ(スパゲッティーニ)……70g
塩……30g
A
レモン…… ¹⁄₄個
生クリーム……20㎖(約20g)
バター(食塩不使用)……20g
水……20ml
パルメザンチーズ(すりおろす)……20g
つくり方
1.下ごしらえをする

レモンは皮を薄くむき、せん切りにする。身は取っておく。皮の裏の白いワタは苦みが出るので、黄色い部分だけを使う。
2.ソースのベースをつくる

フライパンにAを入れて弱火にかけ、ゴムベラで混ぜながらバターを溶かす。濃度はシャパッとした状態でよい。
3.パスタをゆで始める

鍋に水2Lと塩30g(塩分濃度1.5%)を入れて沸かし、パスタを袋の表示時間より30秒短くゆで始める。
4.パスタにソースを和える

パスタがゆで上がったら水けをしっかりきってフライパンに加え、ざっとソースにからめる。
5.レモン汁と皮を加える

1のレモンを絞ってレモンの皮を加え、香りがとばないうちに手早くグルグルと混ぜ合わせて火を止める。
6.チーズを加える

パルメザンチーズを加えて、フライパンを2〜3回あおりながら軽く混ぜて、器に盛り付ける。
教える人 小倉知巳さん (『Regalo(レガーロ)』オーナーシェフ)

Regalo(レガーロ)

東京都渋谷区代々木4-6-2宍戸ビル地下1階
電話:03・6383・3384
営業時間:17時30分〜20時30分(最終注文)、土曜、日曜、祝日はランチも営業。12時〜12時30分(最終注文)
定休日:水曜、木曜
交通:小田急電鉄小田急線参宮橋駅より徒歩約3分

取材・文/石出和香子 撮影/宮濱祐美子











