写真・文/矢崎海里
「三日とろろ」という風習があるのをご存じですか。地域によってお正月のごちそうなどで疲れた胃を労わるため、1月3日にやまのいも(ヤマノイモ科に属する芋類の総称)をすりおろしたとろろを食べる風習があります。とろろが長く伸びることから縁起がよい、長寿を祈願して食べられています。
やまのいもはほかにも消化を助けるはたらきがあり、お正月のごちそうやアルコールで疲れた胃を労るのに最適な食材です。今回は年明けに食べたい、とろろを使ったホッとする料理をご紹介します。
梅とろろうどん
【材料】(2人分)
とろろ 100g
梅干し 2個
かつお節 ひとつかみ
長ねぎ 10cm
ゆず 少々
うどん 2玉
白だし 大さじ5
熱湯 500cc
【作り方】
1.長ねぎは小口切りにする。
2.器に白だしを入れ、熱湯を注ぐ。
3.うどんはたっぷりのお湯で規定分数茹で、湯切りをする。2の中に入れる。
4.とろろ、梅干し、長ねぎをのせる。かつお節をひとつかみ入れ、お好みでゆずの皮をトッピングして完成。
「年明けうどん」をご存じですか。手軽に新年を祝うメニューとして近年注目されていて、1月15日までに食べるものとされています。
紅白になるようトッピングをして縁起を担ぐメニューで、今回はうどんととろろの白、梅干しの紅をあしらうことで「年明けうどん」にも合う組み合わせにしました。ほかにもお好みで温泉卵やきつね、揚げ玉、しいたけ、かまぼこなどをのせて豪華に仕上げましょう。
やまのいもには、でんぷん消化酵素が多く含まれていて、消化を促す働きがあります。胃腸が優れないときや、食べ過ぎてしまったあとの食事にもおすすめ。すりおろしたり、千切りなど細かく切ることで酵素が活性化します。
ただし加熱すると消化酵素の働きが失われてしまうので、生で食べるのがポイントです。
食塩相当量:4.0g
とろろ入り卵焼き
【材料】(2人分)
卵 3個
とろろ 50g
薄口しょうゆ 小さじ1
砂糖 小さじ1/2
青海苔 お好みで
サラダ油 少々
大根おろし お好みで
【作り方】
1.卵はボウルに割りほぐし、とろろ、薄口しょうゆ、砂糖、青海苔を加え、混ぜる。
2.卵焼きフライパンを熱し、サラダ油を入れキッチンペーパーでふき取る。
3.生地を数回に分けて流し入れ、巻いていく。
4.食べやすい大きさに切り、大根おろしを添えて完成。
とろろを入れることで、ふわっと仕上がる卵焼きのレシピです。
とろろとの相性もよい青海苔の風味がアクセント。冷凍保存もできます。
お正月休み明けの朝ごはんやお弁当など、さまざまなシーンで活躍しますよ。
やまのいもは、いも類の中でもたんぱく質が多い食品です。卵と合わせて副菜でもたんぱく質補給ができます。
食塩相当量:0.6g
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とろろご飯やお好み焼き、和菓子など幅広く活用されているやまのいも。
生で食べてシャキシャキ、加熱してほっくり、すりおろしてネバネバなど、さまざまな調理法で取り入れてみてくださいね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。