写真・文/矢崎海里
近年生活スタイルの変化でストレスが溜まっている、なかなか外出できずうまくストレスを発散できていない方も多いのではないでしょうか。
2015年からはメンタルヘルスの不調を未然に防ぐため、事業所ではストレスチェックが行われており、精神的不調の一次予防が重要視されています。ストレス改善には休息、睡眠、リラックスなどの行動はもちろん、食生活とも深く関わりがあります。
今回はストレスに負けない体づくりに重要な栄養素の解説と、おすすめレシピをご紹介します。
栄養バランスのとれた食事でストレスに負けない体づくり
ストレスは気候や栄養不足、酒・たばこ、薬の副作用、人間関係のトラブルなどさまざまな刺激が重なり引き起こります。過度なストレスは不眠やうつ、疲労感など、身体的・精神的両方に不調が現れます。
ストレスに負けない体づくりには、休息と合わせてバランスのとれた食事が重要です。
ここではいくつか重要な栄養素を紹介してきます。
・ビタミンB1
糖質の分解を促し、自律神経を正常に保つはたらきがあります。不足すると疲れやすくなる、だるさなどを感じることがあります。ビタミンB1は豚肉や玄米、そばなどに含まれています。
・ビタミンC
抗ストレス作用を有するホルモンの合成に関わる栄養素です。とくにタバコを吸う方は、喫煙によりビタミンCが多く失われてしまうので、意識してとることが大切です。ビタミンCはレモン、いちご、キウイなどの果物や、ピーマン、キャベツ、じゃがいもなどの野菜類・いも類に多く含まれています。
ほかにも神経の興奮を鎮めるはたらきのあるカルシウム・マグネシウム、神経伝達物質の材料になるアミノ酸、トリプトファンやフェニルアラニンなども有効です。
ここからはビタミンB1、ビタミンCが補えるおすすめレシピをご紹介します。
彩り野菜と豚肉の旨辛ソース
【材料】(2人分)
豚バラ肉 200g
もやし 150g
小松菜 100g
パプリカ(赤・黄) 各1/2個
長ねぎ 1/2本
★生姜みじん切り 小さじ1
★にんにくみじん切り 小さじ1
★焼き肉のたれ 大さじ2
★鶏がらスープの素 小さじ1/2
★豆板醤 小さじ1/2~お好みで
★ごま油 大さじ1
【作り方】
1.小松菜は3cm幅に切る。パプリカは薄切りに、長ねぎはみじん切りにする。
2.長ねぎと★の調味料を合わせてたれを作っておく。
3.もやし、小松菜の上に豚バラ肉をのせ、5~6分蒸す。蒸し器がない場合、写真のようにお湯を沸かした上にざるを置き、具材をのせてふたをして簡易蒸し器を作るのもおすすめです。
4.蒸し上がった3の水気を切り、もやし、小松菜にパプリカを混ぜる。
豆板醤や甜麺醤を使って甘辛だれに仕上げた人気の四川料理、雲白肉(ウンパイロー)をアレンジしました。
雲白肉は豚バラ肉の薄切りに長ねぎやきゅうりを使用するのが一般的ですが、今回はビタミンCがたっぷり摂れる彩り野菜を合わせました。
小松菜は茹でずに蒸すことで、水溶性ビタミンが流れ出るのを防ぎます。
またもやしと小松菜の上に、脂の多い豚バラ肉をのせて蒸すことで、水っぽくならず、豚肉の脂が野菜に落ちながらジューシーに蒸すことができます。
たれは旨辛の食欲が進む味付けです。飽きずに野菜をたっぷり食べることができます。辛いのが苦手な方は、豆板醤を入れずに作ると食べやすいですよ。
エネルギー:312kcal
食塩相当量:2.1g
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食事と合わせて休息も重要です。質のよい睡眠やリラックスする時間を設け、体を動かす、趣味に没頭するなど自分に合った方法でストレスを発散して、スッキリ気持ちよく過ごせるようにしていきましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。