写真・文/矢崎海里
秋はニンジンやごぼうなどの根菜やじゃがいも、里芋などのいも類、きのこ類などが旬を迎えます。
これらの食材には食物繊維が多く含まれています。
健康維持に重要なはたらきをする食物繊維ですが、日本人には不足しがちな栄養素といわれています。
そこで、今回は秋が旬の食材で食物繊維を補うコツをご紹介します。
1日に必要な食物繊維量は?
厚生労働省が定めている日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、1日の食物繊維目標量は、18〜64歳男性で21g、女性で18gです。しかし、近年食の欧米化に伴い、食物繊維を多く含む豆類、穀類などを食べる量が減り、日本人の現状の摂取量は14g程度になっており、意識して食事に取り入れていくことが必要です。
食物繊維のはたらき
食物繊維は便通を整えたり、腸内環境を整えたりするはたらきがあります。また、便のかさを増やしたり、便を軟らかくしたりするはたらきもあり、便秘予防にも効果があるとされています。ほかに脂質やナトリウムなどを体外に排出する作用もあり、生活習慣病予防にも注目されている栄養素です。
秋野菜で食物繊維を補うコツとは?
食物繊維は、秋に旬を迎える様々な野菜に含まれています。
・ニンジン1本(約150g) 3.2g
・ごぼう1/2本(約100g) 5.1g
・さつまいも1/2本(約100g) 2.8g
・しいたけ5個(約75g) 2.9g
・ぶなしめじ1パック(約100g) 3.2g
葉物野菜と違い、かさが減りにくい食材が多く、その分食べた時の満足感もアップします。
低エネルギーでビタミン・ミネラルも補えるので、ダイエットなどにもぴったり。
メイン料理でたくさん摂るのもよいですが、それ以外で少しずつ補うのがおすすめです。
定番の煮物やきんぴら、ごぼうサラダやポテトサラダなど小鉢で取り入れる、秋野菜をたっぷり使った具だくさん豚汁やけんちん汁は季節のごちそうに。ほかにもきのこの炊き込みごはんなども、主食で食物繊維を補えます。
では、食物繊維をたっぷり補える丼ぶりレシピをご紹介します。
食物繊維がたっぷり摂れる「根菜豚キムチ丼」
【材料】(2人分)
豚バラ肉 150g
ごぼう 1本
ニンジン 1/2本
むき枝豆 大さじ1
キムチ 100g
醤油 大さじ1/2
みりん 大さじ1/2
ごま油 小さじ1
麦ごはん 400g
【作り方】
1.ごぼうは半月切りに、ニンジンは短冊切りにする。
2.フライパンにごま油をひき、1を炒める。
3.2に豚バラ肉を加え、豚肉に火が通るまで炒める。
4.3にキムチ、醤油、みりんを加え、水分がなくなるまで炒め、火を止める。
5.器に麦ごはんを盛り、4をのせる。枝豆をトッピングして完成。
味付けがしっかりした豚キムチに野菜を足して、丼ぶりごはんにアレンジ。
ひと皿で満足感のある、ご飯が進むメニューです。
今回は食物繊維を多く含む根菜、ごぼう・にんじんに加え、キムチや枝豆、麦ごはんなどを使用して、食物繊維がたっぷり摂れる丼ぶりにしました。噛みごたえもあり、しっかり噛むことで早食いを防ぎ、肥満予防などにも効果があります。
上記で紹介した以外にも、穀類で食物繊維を補うのもおすすめです。
今回のように麦ごはん、玄米を取り入れる、食パンをライ麦パンに変えるなどでも食物繊維を摂ることができますよ。
エネルギー:574kcal
食塩相当量:2.9g
食物繊維量:12.0g
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旬の食材は食物繊維以外の栄養価も優れています。
食卓にも季節感が出るため、いろいろな調理法で楽しんでみてください。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。