写真・文/矢崎海里
今年は昨年に比べ、少しずつ外食できる世の中になってきましたね。
年末年始はお酒を飲む機会が増え、ついつい飲み過ぎてしまった経験はありませんか。
今回はアルコールの適量と、合わせて食べたいおすすめのおつまみをご紹介していきます。
アルコールの代謝を助けるメニューや、日々不足しがちな栄養が補えるメニューを選びながらアルコールを楽しみましょう。
お酒の適量とは?
「お酒は適量を楽しみましょう」とよく聞きますが、そもそも適量とはどのくらいなのでしょうか。
お酒の適量の目安は純アルコール量で1日20g程度とされています。
この量は肝臓でのアルコール分解に負担をかけず、吐き気、ふらつきなどの症状が起こりにくい目安量です。
ただしお酒の弱い方や女性は、これより少ない量が推奨されています。
純アルコール量20gとは、
・ビール中ジョッキ1杯(500ml)
・日本酒1合(180ml)
・ワイン2杯(240ml)
・缶ハイボール1本(350ml)
・7%缶チューハイ1本(350ml)
が具体的な量の目安です。
アルコールは適量だと食欲増進、血行促進、リラックス効果などのメリットがありますが、飲み過ぎると肝臓へ負担や生活習慣病リスクの増加、利尿作用促進による脱水などさまざまなデメリットもあります。
またお酒はアルコール以外にも炭水化物やたんぱく質などの成分から構成されています。ビール中ジョッキ1杯(500ml)でも195kcalあり、飲み過ぎはエネルギー過多の原因にもなるので注意しましょう。
おつまみ選びのポイント
飲酒時におつまみを食べることで、アルコールの吸収を緩やかにする、胃が荒れるのを防ぐなどの効果が期待できます。
ここでは、おつまみ選びのポイントをいくつか紹介していきます。
・低エネルギーで高たんぱくなメニュー
お刺身や冷や奴など脂質が少なく低エネルギーで、良質なたんぱく質が補えるおつまみがおすすめです。
調理法によってもエネルギーの差は大きく、鶏のから揚げを焼き鳥に変えることで約半分のエネルギーに抑えることができます。
どうしても揚げ物が食べたい、という時も油の吸収が少ない調理法を選ぶのがポイントです。フライや天ぷらなど衣が多い物より、から揚げや素揚げの方が油の吸収が少なく調理できるため、おつまみ選びの参考にしてみてください。
・野菜、海藻、きのこ類などの副菜
ビタミン、ミネラルを含む野菜や海藻、きのこ類、豆類などの副菜を多く摂るのもおすすめです。サラダはポテトサラダより、緑黄色野菜が多めのものを選ぶとよいでしょう。
定番の枝豆はもちろん、きゅうりや長芋の浅漬け、なめたけなどは塩分があるため量に気をつけて少しずつ楽しむのがポイントです。
・イカ、タコ、貝類のメニュー
イカやタコ、あさりなどの貝類や甲殻類に含まれるタウリンは、肝機能を高める働きがあります。アルコール代謝を促進する効果があり、おつまみとしておすすめです。
タコぶつやあさりの酒蒸し、イカの塩辛など居酒屋メニューの定番品も多く、取り入れやすいのが特徴です。
ここからはタウリンを含むタコと、市販の野菜炒め用カット野菜を使った、家庭でできるおすすめおつまみのレシピをご紹介します。
タコと野菜のバター醤油炒め
【材料】(2人分)
タコ(ゆでたもの) 100g
野菜炒め用カット野菜 1袋(200g)
有塩バター 10g
醤油 大さじ1
【作り方】
1.タコはキッチンばさみで一口大にカットする。
2.フライパンにバターを溶かし、1と野菜炒め用カット野菜を中火で野菜がしんなりするまで炒める。
3.醤油を回しかけ、火を止める。器に盛り完成。
包丁まな板不要、5分でできるお手軽レシピです。市販のカット野菜には色々な野菜がバランスよく入っているので、買ってきた野菜が半端に残ってしまうこともありません。普段料理をしない方にもおすすめの使い切りサイズです。
タコは火が通っているので、野菜がしんなりするまでさっと炒めるだけ。シャキシャキ食感とタコの噛みごたえで、1品でもボリュームあるおつまみです。
同じくタウリンを含む、脂質の少ないイカやエビとバター醤油の相性もいいので、材料を変えて作るのもおすすめです。
エネルギー:113kcal
食塩相当量:1.7g
* * *
ついついたくさん食べ過ぎてしまった、飲み過ぎてしまった。そんな時は翌日以降の食事やアルコール量を見直し、1週間単位で調整できるようチャレンジしてみましょう。
ノンアルコール飲料もうまく活用して、休肝日を設けることも効果的です。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。