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見上げれば天空を覆うのは桜、手に持つワインもまた桜色。ロゼワインは花見の季節に最適である。
フランスのAOCワイン生産者全国委員会によると、1990年のロゼのフランス国内消費量はわずか10.8%だったが、現在は25%にまで伸びているという。日本でもロゼ愛好者が増えつつある。
しかし一口にロゼといっても、その色合いは実に様々。ロゼは基本的には赤用ブドウ品種で作られる。果皮の薄いピノ・ノワールは淡い色調、反対に果皮の厚いカベルネ・ソーヴィニヨン、グルナッシュやシラーなら濃く仕上がる。さらにブドウをどれくらい圧搾するかなどの醸造法により、生産者は理想の色と味を表現していく。

そんな微妙な味わいの差異を可視化してくれたのが、慶應大学のベンチャー企業AISSY。同社研究員の鈴木隆一さんは言う。
「私たちが開発した機器には100人分の味覚データが入っています。ワインなど調査したい飲食物を機器にかけると、そのデータをもとに酸味、苦み、旨み、甘み、塩味の五味により味を数値化。味わいが一目でわかるようにしました」
そのデータは同時に、ロゼの美味の理由を明かす。赤用ブドウ品種に由来するタンニンが、苦みの要素を生み出していることもよくわかる。

AISSY(アイシー)代表取締役社長
鈴木隆一さん
0401winetop昭和57年、東京都生まれ。慶應義塾大学理工学部・研究員。分析化学のなかでも味覚を専門とする。教授とともに人間の味覚を数値化するセンサーを開発。平成20年、AISSYの立ち上げに参画。現在、食品会社などからの依頼で商品分析を多数手掛けている。

0401wine2電解質液に料理の要素を溶かし出す。それを小さな容器に入れ、味覚分析装置にかけて検査する。

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