文/川口陽海
・とくに効果的なのが“殿筋ストレッチ”
・寝て、またはイスに座って手軽におこなえる3つのストレッチ
新型コロナウィルスの流行により、政府から4月7日に東京都をはじめ1都7県に緊急事態宣言が発出されました。
外出自粛をされている方も多いと思いますが、腰痛や坐骨神経痛でお悩みの皆さんは、思うように治療も受けられず、つらい思いをしていませんか?
また運動不足から痛みが悪化してしまうこともあります。
でも大丈夫!
自宅で軽い運動をおこなうことで、腰痛や坐骨神経痛は改善させることができます。
むしろ人任せにせず、自ら治していこうという姿勢こそが、痛みから回復への早道だと筆者は考えています。
今回は前回の記事の続きとして、自宅で、自分で手軽にできる、腰痛や坐骨神経痛の改善法その2『手軽にできる3つの殿筋ストレッチ』をご紹介します。
前回の記事もぜひご覧ください。
腰痛・坐骨神経痛を自宅で改善! 自宅で出来る“殿筋ほぐし” 【川口陽海の腰痛改善教室 第38回】
前回の簡単おさらい 殿筋と発痛点“トリガーポイント”
前回の記事を簡単におさらいします。
殿筋とはお尻の筋肉のことで、大殿筋、中殿筋、小殿筋の3つの筋肉があります。
筋肉は様々な原因によりこり固まってしまうことがあり、これが長期間続くと、筋肉の中に発痛点“トリガーポイント”ができてしまいます。
この“トリガーポイント”が、腰痛や坐骨神経痛の大きな原因となります。
トリガーポイントについては本連載でもたびたび触れていますが、より詳しくお知りになりたい方は以下のページもご覧ください。
ポイントは中殿筋と小殿筋
殿筋の中でも、腰痛や坐骨神経痛の原因となることが多いのが中殿筋と小殿筋です。
中殿筋小殿筋の位置や形とトリガーポイントの好発部位、またトリガーポイントから痛みの出るエリアを以下の画像で確認してみましょう。
【中殿筋とトリガーポイントの好発部位】
画像の一番右が中殿筋の解剖透視図、✖印がトリガーポイントの好発部位、赤い部分が痛みの出やすいエリアになります。
中殿筋にトリガーポイントができると、この図のように腰や骨盤周り、ベルトのラインあたり、お尻のほっぺたなどに痛みが出ます。
【小殿筋とトリガーポイントの好発部位】
画像の一番右と右から3番目が小殿筋の解剖透視図、✖印がトリガーポイントの好発部位、赤い部分が痛みの出やすいエリアになります。
小殿筋にトリガーポイントができると、お尻から脚の後ろ側や外側にかけて痛みやしびれが出ます。
このような症状は、病院ではたいてい坐骨神経痛と診断されますが、実は神経の痛みではなく、筋肉の痛みなのです。
いかがでしょう?これらの図はあなたの痛みと似ていませんか?もし似ているようでしたら“殿筋ストレッチ”が効果があるかもしれません。
実際にやってみましょう。
またこれらのストレッチをする前に、前回ご紹介した“殿筋ほぐし”をおこなうとより効果的です。
腰痛・坐骨神経痛を自宅で改善! 自宅で出来る“殿筋ほぐし” 【川口陽海の腰痛改善教室 第38回】
寝たまま殿筋をストレッチする
寝た姿勢で殿筋をストレッチする方法です。このストレッチは中殿筋をはじめ、大殿筋やハムストリング、梨状筋などに効果があります。
腰や骨盤周囲、腿裏などに痛みがある方は良くおこなってみてください。
適度にお尻の筋肉が伸びたところで止め、
ゆっくりと深呼吸を3~5回(約30秒)繰り返します。
終わったら脚をゆっくり戻し、
反対の足も同じようにおこないます。
片側2~3回ずつおこないます。
※ご注意)
痛みのためにこの姿勢ができない、またはこの姿勢をとると症状が悪化する時はやめてください。
イスに座っておこなう殿筋ストレッチ
イスに座っておこなう殿筋ストレッチです。このストレッチは中殿筋をはじめ、大殿筋やハムストリング、梨状筋などに効果があります。
腰や骨盤周囲、腿裏などに痛みがある方は良くおこなってみてください。
足の裏がしっかりつく高さのイスに、やや浅めに腰かけます。
片方の足首を、反対の膝に乗せます。
そのまま上半身を股関節から前に倒します。
背中や腰は丸め過ぎず、胸を脚に近づけるようにしていきます。
適度にお尻の筋肉が伸びたところで止め、30秒~1分ほど伸ばします。
終わったら上半身をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。
片側2~3回ずつおこないます。
※ご注意)
痛みのためにこの姿勢ができない、またはこの姿勢をとると症状が悪化する時はやめてください。
イスに座っておこなう小殿筋ストレッチ
このストレッチは主に小殿筋に効くストレッチです。坐骨神経痛など脚に痛みやしびれがある方は良くおこなってみてください。
足の裏がしっかりつく高さのイスに、やや浅めに腰かけます。
片方の足首を、反対の膝に乗せます。
組んだ脚の膝を手で軽く押さえ、上半身を反対方向にひねります。
上半身をひねったまま、斜め方向に倒していきます。
股関節から倒すようにしてください。
股関節の中が開くような感覚、またそこから腰の横から背中にかけて伸びるような感覚が出たらそこで止め、30秒~1分ほど伸ばします。
終わったら上半身をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。
片側2~3回ずつおこなってみましょう。
※ご注意)
痛みのためにこの姿勢ができない、またはこの姿勢をとると症状が悪化する時はやめてください。
これらのストレッチをする前に、前回ご紹介した“殿筋ほぐし”をおこなうとより効果的です。
腰痛・坐骨神経痛を自宅で改善! 自宅で出来る“殿筋ほぐし” 【川口陽海の腰痛改善教室 第38回】
こちらもぜひおこなってみてください。
また、拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて3月20日から発売となっています。
こちらでも腰痛を改善する方法を多数ご紹介しておりますので、お読みいただけると幸いです。
以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。
腰痛改善ストレッチ 肋骨をゆるめると腰痛が良くなる【川口陽海の腰痛改善教室 第37回】
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文・指導/川口陽海
厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616
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