取材・文/池田充枝
フィンランドの芸術家、トーベ・ヤンソン(1914-2001)が生みだした「ムーミン」とその仲間たちは、愛らしい姿とユーモアあふれる言葉で世界中のファンを魅了しています。
トーベは、彫刻家の父と挿絵画家の母のもとに生まれ、15 歳で風刺雑誌の挿絵画家としてデビュー。1945年から70年にかけて、ムーミンの児童小説シリーズ9作を発表。さらにムーミンの漫画や絵本、大人向けの小説や油彩画、フレスコ画、広告、舞台美術など多彩な活動をした芸術家です。
小説、絵本、新聞連載コミック、アニメ、商品などさまざまなかたちで発信された「ムーミン」シリーズは、今も大人から子どもまで幅広い人気を得ています。
2019年は、フィンランドと日本の外交関係樹立100周年にあたります。トーベも来日して日本との交流を深めています。この記念すべき年に、世界でただひとつの「ムーミン美術館」から選りすぐりの作品がやってきます。(6月16日まで)
本展は、2017年にリニューアルオープンしたフィンランド・タンペレ市にあるムーミン美術館やトーベが最後まで手元に残しておいたコレクションから、日本初公開を含む約500点が出展され、ムーミンの世界を体感することができる展覧会です。
本展の見どころを、本展広報事務局の細川奈津美さんにうかがいました。
「今年は日本とフィンランドの外交関係樹立100周年。そして、埼玉のムーミンバレーパークのオープン、BS4Kでのアニメーション放映と、ムーミンの話題がつきません。
そんな記念すべき年に開催する「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」は過去開催されたムーミンの展覧会とは一線を画す過去最大級の規模です。
ムーミンの小説、絵本の原画やスケッチはもちろん「商品」「広告」「舞台」の原画といったこれまでなかなかお目にかかれなかったムーミンとその仲間たちの多彩な表情に出会うことができます。
私のおすすめは「幻のムーミン人形」と呼ばれるアトリエ・ファウニという工房で手作りされた人形たちです。当初は許可なく作られていたのですが、ムーミンの作者のトーベ・ヤンソンがあまりの可愛さに気に入り、許可が下りたという逸品です。ムーミン、ムーミンパパ、ママなど15体が展示されます。
また、ムーミンといえば、グッズを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。展覧会グッズショップでは、本展の会場限定オリジナルグッズ約250点を販売予定です。「リトルミイのぬいぐるみ」や「ムーミンのスノードーム」、カプセルトイ“ミニチュア食器コレクション”など魅力的なグッズをご用意していますので、展覧会だけでなくこちらも楽しみにしていただけたらと思います」
大人も子どもも楽しめる展覧会です。ムーミンに会いに家族そろって会場に足をお運びください。
【開催要項】
ムーミン展 THE ART AND THE STORY
会期:2019年4月9日(火)~6月16日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52階
電話番号:03・5777・8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://moomin-art.jp
開館時間:10時から20時まで、火曜日は17時まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:会期中無休
巡回:大分・名古屋ほか、全国を巡回予定
取材・文/池田充枝