昭和22年、逓信省(現総務省、日本郵政)は切手の美術的、文化的価値を広め、切手蒐集の普及を図るべく「切手趣味週間」を制定した。これを契機として、日本美術をモチーフにした切手が数多発行されるようになった。その原初が『見返り美人』『月に雁』だ。

菱川師宣『見返り美人』/師宣の肉筆画。縦67mm、横30mmで日本最大の切手。昭和23年。

歌川広重『月に雁』/『見返り美人』と並ぶ日本最大の切手。構図が秀逸。昭和24年発行。

昭和30年代に入ると印刷技術が進歩し、単色刷りに代わって多色刷りの鮮やかな切手が発行されるようになり、蒐集熱を刺激した。昭和32年発行の『まりつき』の発行枚数が850万枚だったのに対し、翌年の『雨中湯帰り』は2500万枚に達したことからも、人々の熱狂ぶりがうかがえる。

今回は、そんな日本美術を鑑賞できる切手の数々をフォトギャラリー形式でご紹介しよう。

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