国宝「手掻包永太刀」〔鎌倉時代(13世紀)附「菊桐紋糸巻太刀拵 」江戸時代(18~19世紀)〕

国宝「手掻包永太刀」〔鎌倉時代(13世紀)附「菊桐紋糸巻太刀拵 」江戸時代(18~19世紀)〕

武士の魂“日本刀”は、千年におよぶ歴史のなかで、武器として武人を鼓舞するだけでなく、美術品としても鑑賞されてきました。

そんな刀剣の名品中の名品をじっくり拝見できる展覧会が、東京都世田谷区の静嘉堂文庫美術館で開催されています。(~3月20日まで)

静嘉堂文庫の刀剣コレクションは、三菱財閥の創始者・岩崎彌太郎の弟・岩﨑彌之助が、明治の廃刀令直後から蒐集をはじめたもの。現在同館では、彌之助の息子・小彌太が集めたのものや、岩﨑宗家からの寄贈品を含め、約120振を所蔵しています。

本展は、そんな静嘉堂文庫が誇るコレクションから、日ごろ目にすることのできないものも含めて選りすぐりの名刀約30振を紹介します。

重要文化財「古備前高綱太刀(号「滝川高綱」)」〔鎌倉時代(12~13世紀)附「朱塗鞘打刀拵」 桃山時代(16世紀)〕

重要文化財「古備前高綱太刀(号「滝川高綱」)」〔鎌倉時代(12~13世紀)附「朱塗鞘打刀拵」 桃山時代(16世紀)〕

本展の見どころを、静嘉堂文庫美術館の担当学芸員、山田正樹さんにうかがいました。

「本展の見どころの第一は、静嘉堂所蔵の約120振のうちに含まれる国宝1件、重要文化財8件のすべてが、美術館開館以来、初めて一堂に会することです。

見どころの第二は、戦国武将の名刀がその逸話とともに紹介されることです。滝川一益が信長より拝領した朱鞘の太刀『滝川高綱』や、直江兼続が秀吉より贈られた『後家兼光』などの名刀を、その由来や経緯の解説とともにご鑑賞いただけます。

見どころの第三は、重要文化財『平治物語絵巻 信西巻』を3期に分けて特別公開することです。源平の争乱の前触れとなった平治の乱を描いたこの絵巻は、鎌倉時代中期の作とされ、鎌倉時代の風俗や武装が描かれています。刀や薙刀など武具の描写も精緻で見応えがあります。

本展は、日頃あまり刀剣を見たことのない方に見ていただきたいと思っています。刀剣鑑賞の歴史は千年に及び、難しい専門用語が多いのですが、できるだけわかりやすく解説しています。本展を通じて、日本刀の魅力に触れていただければ幸いです」

道具としてはもちろん、美術品としてもとびきり優れた「日本刀」の魅力を感じることができる、とっておきの展覧会です。ぜひ足をお運びください。

【超・日本刀入門 ~名刀でわかる・名刀で知る~】
■会期/2017年1月21日(土)~3月20日(月・祝)会期中展示替えあり
■会場/静嘉堂文庫美術館
■住所/東京都世田谷区岡本2-23-1
■電話番号/03・5777・8600(ハローダイヤル 英語版03・5405・8686)
■料金/一般1000円 大高生700円 ※中学生以下無料、20名以上の団体は割引あり
■開館時間/10時から16時30分まで(入館は16時まで)
■休館日/月曜日(ただし3月20日は開館)
■アクセス/東急大井町線・田園都市線二子玉川駅より駅前4番バス乗場で東急コーチバス玉31・32系統で「静嘉堂文庫」下車徒歩約5分、小田急線成城学園前駅より南口バス乗場で二子玉川駅行きで「吉沢」下車徒歩約10分
■公式サイト/http://www.seikado.or.jp

取材・文/池田充枝

 

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