例年、2月上旬からスギ花粉が飛散しはじめるので、敏感な人はそろそろムズムズと不快感を感じているのでは。日本気象協会の発表によると、今年のスギ花粉の飛散量は広い範囲で例年より多く、四国・近畿は例年の2倍以上になるとか!
花粉症に悩む人は、さまざまな対策を行っていると思いますが、今年は漢方に頼ってみてはいかがでしょうか。
今回はこれまで『サライ.jp』でお伝えしてきた「漢方と花粉症」に関する記事をご紹介します。
花粉症を和らげ、春を楽しめることを願っています。
1:眠くならないから、運転前にも飲める!
西洋医学ではアレルゲン(花粉)が目・鼻・口などから体内に侵入し、それを免疫システムが異物とみなすことでアレルギー反応(花粉症)が起こるとされています。一方、漢方医学では体内を巡る「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスが崩れることで体の働きが悪くなり、不調が起こるとされています。
花粉症対策に用いられる漢方薬は、主に鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状を抑えるものと、花粉症などのアレルギー体質を根本から改善するものなどさまざま。
漢方の特徴は、体質改善にも役立つこと。花粉症はもちろん、それ以外の不調やつらい症状の予防、根本改善が期待できます。また、飲んでも眠くなりにくいため、大事な会議前や車を運転するときでも安心して飲めるのもうれしいですね。
※花粉症の症状に効果がある漢方とは【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】
2:鼻水や鼻づまりを解消しながら、心と体全体を根本改善する
花粉症のつらい症状のひとつが、鼻水や鼻づまり。症状がひどくなると、集中力が落ち、イライラするなどの精神的苦痛を生じることも。
漢方薬のなかには、「鼻水」「鼻づまり」「アレルギー性鼻炎」「慢性鼻炎」「蓄膿症」などに効果が認められているものがあります。
「免疫力を上げる」「血流をよくして鼻の粘膜を強くする」「水分の循環をよくして鼻水を改善する」「鼻の粘膜の炎症を和らげる」などの作用により改善を目指すため、鼻水や鼻づまりなどの症状の回復だけでなく、心と体全体を根本改善することができます。
※鼻炎や蓄膿など鼻疾患に効く漢方【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】
3:アレルギー症状が出にくい体質を目指す!
花粉症のようなアレルギー性鼻炎に使われる代表的な漢方薬が「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」です。花粉症の他、くしゃみや鼻づまり、咳などの症状がある風邪、気管支炎や気管支ぜんそく、結膜炎などに使われることもあります。
小青竜湯は体の水分バランスを整えるので、今ある症状を緩和するだけでなく、アレルギー症状が出にくい体質を目指せるのも特徴です。
体が冷えて、透明な鼻水や粘性の低い痰が出ている人に向いていますが、体力が低下していたり汗かきの人には向いていないので、ご注意を。
※咳・鼻水が出るときに「小青竜湯」【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】
4:漢方薬の効果的な飲み方とは?
漢方薬に興味はあるけど、飲み方がわからないという人も多いかもしれません。一般的に西洋薬は食後の服用が多いですが、漢方薬を飲むタイミングは食前(食前30分程度)または食間(食後2時間程度)の空腹時とされています。
その理由は2つ。1つは食後だと漢方薬の吸収が悪くなってしまうこと。もう1つは、漢方薬の成分によっては、食後は吸収が良くなりすぎて副作用が起こりやすくなる可能性があるから。
また、漢方薬は即効性がなく、長期間服用するイメージがありますが、花粉症などのアレルギー症状に使用される小青竜湯(しょうせいりゅうとう)などは頓服的に用いることができます。
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漢方薬は自身の体質に合わせてこそ、効果が得られるものです。必ず、漢方医学を学んだ医師や薬剤師など、専門家のアドバイスに従い、最適なものを服用するようにしましょう。
文/編集部