皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。第18回のテーマは、「外邪(がいじゃ)とは」(春から初夏)です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。

外邪とは?

東洋医学では、病気の原因を体の内側からくる「内因」、外側からくる「外因」、それ以外の「不内外因」にわけて考えます。今回は外因について見ていきましょう。

漢方では、外因のことを「外邪」といいます。外邪は環境的な理由、とくに自然の気象条件が影響しているとされ、「風・寒・暑・湿・燥・火」の6つが体に影響を与え、病気になると考えられているのです。この6つは「六淫(りくいん)」と呼ばれており、過度にこれらの環境に晒されることで病気の原因となります。

次に、春先から今後の季節に気をつけたい外邪をピックアップして解説します。

春~夏にかけての外邪

春から夏の季節は「風・暑・湿・火」の4つの外邪が問題になります。それぞれの外邪の特徴と、それによって引き起こされる症状をくわしく見ていきましょう。

1.風

「風邪(ふうじゃ)」は、朝夕で温度が激しく変化する春の病気の原因になります。首から上の部位に不調を引き起こし、鼻水やのどの痛み、せきのほか、悪寒、発熱、発汗などが目立ち、震えやめまい、けいれんが起きる場合もあります。

まるで風のように症状の変化が早く、患部があちこちに移動して一定しないのが特徴です。ほかの外邪と組み合わさることもあり、風邪は万病の長ともいわれます。

ちなみに、病気の”かぜ”も同じく「風邪」と書きますが、これは東洋医学(主に中国の伝統医学)からきています。

2.暑

「暑邪(しょじゃ)」は、夏場の炎天下や、高温の環境による外邪です。高熱やのどの渇き、発汗、だるさなど、主に上半身の症状を引き起こします。暑邪は気(エネルギー)や水分を消費し、夏バテや熱中症の原因にもなります。脱水症状のほか、重い場合は意識不明に陥る場合もあります。

東洋医学において、夏は「陽気」というエネルギーが満ち、万物に活気があふれる成長の季節という位置づけです。しかし、その陽気が体のなかにたまりすぎてしまうと、不調があらわれます。

3.湿

「湿邪(しつじゃ)」は、梅雨の湿気が多い環境からくる外邪です。食欲不振や吐き気、軟便などの症状があらわれます。また、手足の筋肉痛も目立ちます。じめじめとした季節は気分まで憂鬱になりますが、女性はとくにストレスを感じやすく、自律神経の乱れを引き起こす原因にもなるでしょう。

また、湿邪に悩まされることが多い梅雨は、汗をかきづらい季節なので水分代謝が停滞し、余分な水分や老廃物がたまりやすくなっています。

4.火

「火邪(かじゃ)」は熱を原因とする外邪です。熱感があり、高熱、ほてり、発汗、のどの渇きのほか、頭痛や歯茎の腫れ、出血や化膿もあらわれます。上半身、とくに顔に症状が目立ち、暑い日はさらに症状がひどくなります。

汗で水分と気(エネルギー)が排出されてしまうので、常に疲れやすくだるいといった特徴があります。イライラや不眠にも悩まされ、悪化すると精神症状も起こり始めます。

春~初夏の不調におすすめの漢方薬

外邪を振り払うには、日々の生活習慣に気を配り、健康的な生活を送ることが大事です。その際には、漢方薬も頼れる味方になってくれます。春から初夏にかけて不調を感じる方におすすめの漢方薬をご紹介します。

<春から初夏の不調に悩む女性におすすめの漢方薬>

小青竜湯(しょうせいりゅうとう):くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなど、風邪やアレルギー性鼻炎、花粉症に用いられる漢方薬です。のどや鼻の粘膜を活性化してくれるので、春先にはぴったりな漢方薬のひとつです。また、体を温め、水の流れを整えて余計な水分がたまらないようにします。

加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラやめまいを感じる方に向いている漢方薬です。冷え性や月経不順など女性特有の悩みも任せられる「産婦人科の三大漢方薬」のひとつです。乱れた自律神経を調整し、血行も促進して体のバランスを整えます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血の滞りを改善し、血行をよくする漢方薬です。上半身ののぼせ、下半身の冷えを感じる方に有効です。頭痛や肩こりを始め、湿疹やニキビなど、皮膚のトラブルにも用いられます。病弱でなく、比較的体力がある方向けの漢方薬です。

このように、漢方薬は体の調整の手助けをしてくれる役割もあります。「未病」という、まだ病気になる前ではあるものの、体のバランスが崩れかけている状態からアプローチできます。

しかし、そういった処方を行うには漢方のプロである医師や薬剤師の知識が必要不可欠です。どんな漢方薬でも、体質に合っていなければ本来の効果は発揮できません。漢方のプロはきちんと漢方の基礎から学んだ知識を活かし、あなたの体質や症状を見極め、正しい漢方薬を処方してくれます。

また、気軽に活用できる方法として、スマホひとつでも利用できる「あんしん漢方」もおすすめです。オンラインで相談から漢方薬の購入まで完結できるので、わざわざ病院や薬局に行く必要がありません。

あなたの体質を踏まえたオーダーメイド処方なら、悩みの解決に一歩近づけます。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0093

外邪を意識し病気を未然に防ごう!

春から夏は季節の移り変わりによる環境変化が厳しく、外邪の影響を受け、様々な病気にかかります。体調を崩さず健康的な毎日を送るには、漢方薬の力を借りるのもおすすめです。外邪をきちんと意識して、毎日を過ごしていきましょう。

さて、次回のテーマは「内邪とは」です。ぜひご覧ください!

<この記事を書いた人>


あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
竹田由子
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。
患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0093

 

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