新幹線に乗り、バスを仕立てて、空路を辿り各地から産地めがけて人が動くほど、日本人が大好きな「蟹」の季節がやってきました。とても美味しいのに、自宅で茹でたり、自分でむくのは難しいと感じている人も多いのでは? せっかくならばスマートに美味しくいただきたいもの。
そこで今回は、これまで『サライ.jp』で紹介された、プロ直伝の蟹の茹で方とむき方をまとめました。どうしても自分で作業するのが面倒な人のために、お取り寄せできる蟹の駅弁も併せてご紹介。冬の味覚の王様「蟹」を自宅でも堪能してみませんか。
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1:蟹は必ず真水で締めてから、塩分濃度3%で茹でる
蟹はアクが強く、生半可に茹でるとアクがまわり色が悪くなります。それを防ぐには必ず塩分濃度3%の水を沸騰させてから茹でるのがポイントです。
【手順1】真水の入ったボウルに、甲羅を下にして蟹を入れ、蟹の口が動かなくなるまで10〜15分程度、放置。生きたまま茹でると暴れて危険で、かつ破損する可能性があるため必ず締めてから茹でる。
【手順2】蟹の表面をタワシで洗い、濃度3%の塩水を沸かし、甲羅を下にして鍋に入れる。ふたたび沸騰したら落としぶたをして、さらに中火にかける。
茹で上がりの目安時間は、甲羅幅が10cmの場合は20分、13cmの場合は23分、15cmの場合は25分ほど。
2:キッチンバサミでできる、タラバガニのむき方
ズワイガニと並び人気のタラバガニ。食べ応えのある大きな蟹もコツをつかめば、家庭のキッチンバサミでむくことができます。
(1)まな板や皿に腹を上にして置き、関節から少し離れた所で脚を切る。
(2)軽く振ると殻から肉が崩れずに出てくる。出にくいときは、ハサミで殻を切り開いて出す。
(3)爪は片方の爪先を折って身を引き抜き、ハサミで根元から切り開いて中の肉を取り出す。
(4)甲羅の裏側にある「フンドシ」を外し、親指を裏側の中心部にそろえて当てて押し込み、中身を半分に割る。
(5)脚の付け根を掴んで甲羅から中身を引きはがし、灰色の「ガニ」(エラ)を取る。
(6)ガニを取り除いた身をハサミで4つに切る。なるべく、細かく切ったほうが肉を取り出しやすい。
(7)ハサミで切り開いた中身の肉を、箸で丁寧に肉を取り出していく。
3:キッチンバサミでできる、ケガニのむき方
土産やお歳暮にいただくことも多いケガニのむき方。毛が固く尖っているので、軍手などを使用するのがおすすめです。
(1)腹を上にし、ハサミで脚を切っていく。
(2)切り離した脚にハサミで切り込みを入れて開き、肉を手で丁寧に取り出していく。
(3)爪先や脚の細い部分は、麺棒やすりこぎなどを転がして殻をつぶすように前へ押し出すと肉が出てくる。
(4)甲羅から「フンドシ」を外し、中身を引きはがす。灰色の「ガニ」を取る。
(5)ハサミでふたつに切ると蟹味噌が出てくるので、箸で丁寧に取り出す。
4:道具がなくても大丈夫! ズワイガニのむき方
福井県の蟹料理が自慢の旅館『白浜荘』。この宿の名物女将板倉美津子さんは、キッチンバサミや包丁などの道具をいっさい使わず、驚くような速さでズワイガニをむいてくれます。“むきむきみっちゃん”と呼ばれるその技を伝授してもらいました。
(1)ズワイガニを裏返し、腹を上にして皿などに置く。
(2)腹に手を添え、脚を3本ほどまとめて掴み、手前へ引くように脚を折る。
(3)脚先の細い部分は、関節で折ってから引くと、中の筋が抜ける。
(4)脚の真ん中あたりを折って、脚の片側を持ち、根元から指先で押すと、肉が出てくる。
(5)爪の下の殻を指で押し割り、爪先を持って殻を引くと肉を取り出せる。
(6)裏側にある「フンドシ」を取り外し、甲羅から中身を引きはがす。灰色の「ガニ」をむしり取る。
(7)脚の付け根の肉も、指で押し出すように取り出す。
5:プロ厳選の旬の蟹をお取り寄せできる通販サイト
全国の美味しい蟹をお取り寄せできる、おすすめ通販サイトをご紹介します。
【中村商店(鳥取)の「朝茹での松葉がに」】
山陰有数のズワイガニ漁を誇る鳥取・賀露港の老舗仲卸によるお取り寄せサイトです。四半世紀以上も毎日競り場に立ち、数多くの松葉がにを吟味してきた確かな目ならではの、上質な松葉がにを入手できます。
【北海道ぎょれん(北海道)の「宗谷産浜ゆで毛がに」】
北海道のオホーツク海・宗谷沖で水揚げされた毛ガニを、仕入れたその日のうちに熟練の職人が茹で上げ、急速に冷凍して直送してくれます。
【割烹松屋(大阪)の「わたりがに“蒸し蟹”」】
昭和39年(1964)創業、1日3組限定のワタリガニ専門の割烹が行なう通販。同店では塩分濃度や水温を適切に管理し、500g以上の大ぶりのものだけを厳選。調理済でタレとレモンが付き、届き次第すぐにいただけます。
6:全国の駅にある、お取り寄せできる蟹の駅弁
蟹好きが唸り、駅弁ファン垂涎の「蟹の駅弁」。お取り寄せできる名物駅弁をご紹介します。
【アベ鳥取堂の『元祖かに寿し』(鳥取)】
JR山陰本線ほか鳥取駅。絶妙な塩梅の酢飯に蟹のほぐし身と脚、錦糸玉子がふんだんにちりばめられている。
【番匠本店 の『越前かにめし』(福井)】
JR北陸本線ほか福井駅。日本海沿岸で獲れるズワイガニの雌(セイコガニ)の赤肉や内子(うちこ) 、蟹みそを混ぜて炊いたご飯の上にベニズワイガニの身を敷き詰めてある。
お取り寄せできる! 元祖から定番まで『サライ』が選んだ 「蟹の駅弁」4選
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食べ始めると静かになると言われるほど、日本人を夢中にさせる蟹。自宅で茹でるも良し、自分でむくも良し、取り寄せで楽しむも良し。今年の冬は、自宅で蟹三昧、なんて贅沢してみませんか。
文/編集部