世界遺産に認定したい絶景は日本にもまだまだたくさんあると思います。
阪急交通社が行った2019年8月8日まで「個人的には世界遺産!プレゼントキャンペーン」の1,000件を超える応募から、応募数の多かった場所ベスト5を公開。選んだ場所や理由が面白かった応募内容も、合わせてご紹介します。
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「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産に登録されたのを機に、あくまでも「個人的に」世界遺産にしたいと思う国内のスポットを募集。特に応募数の多いスポット・地域がありましたので、ベスト5として発表します。
個人的に世界遺産にしたい場所ランキングはこちら
1位 | 伊勢神宮(三重県) |
2位 | 鎌倉(神奈川県) |
3位 | 阿蘇(熊本県) |
4位 | 彦根城(滋賀県) |
5位 | 東京タワー(東京都) |
その他、一定数以上の応募があった場所一覧
※阪急交通社による、2019年7月10日~2019年8月8日に実施のキャンペーン応募結果より集計
1位から4位までは、まだ世界遺産に登録されていないのが不思議に思ってしまう場所や、世界遺産の暫定リストには入っている場所など、実際に世界遺産に何らかの縁がある場所が選ばれました。
それでは、個人的に世界遺産にしたい場所の上位に選ばれた場所について、その概要や世界遺産にまだ登録されていない背景を、キャンペーン応募者からのコメントも一部交えながらご紹介します。
1位 伊勢神宮(三重県)
内宮、外宮をはじめとした125の宮社がある伊勢神宮(正式には「神宮」と呼ばれる)。約2000年もの歴史がある内宮では、天照大御神がまつられています。
伊勢神宮は20年に一度、建物や神宝を造り替える式年遷宮が有名ですが、この為に世界遺産への登録が難しい(登録後に建て替えが出来ないなど)と言われています。
応募者が伊勢神宮を選んだ理由としては、「歴史の重みや日本の文化的な価値、日本人の価値観・宗教観の根底にある施設だと思う」「なによりもあの静ひつで神聖な雰囲気はとても美しく日本の姿だと思うからです」といったコメントがありました。
2位 鎌倉(神奈川県)
日本有数の観光地として知られる鎌倉は神社仏閣が多く、なかでも約11mもの大きさで胎内拝観(大仏の中に入れる)ができる「鎌倉大仏」や源頼朝ゆかりの神社である「鶴岡八幡宮」などが有名です。
鎌倉は2012年に「武家の古都・鎌倉」として世界文化遺産に推薦書を提出しましたが、「武家政権そのものや、当時の人々の暮らしを示す証拠が不足している」などを理由に、残念ながら不記載(登録不可)になっています。
応募者が鎌倉を選んだ理由としては、「鶴岡八幡宮や鎌倉大仏等、武家の文化を今に伝える名跡が多数存在するから」「京都に負けないくらいの歴史感や古きよき町並みがあるから」といったコメントがありました。
3位 阿蘇(熊本県)
現在も活火山である阿蘇山は、その様子を間近で見ることができる貴重な観光スポット。世界最大級のカルデラは、東西18km、南北25kmの大きさを誇ります。
阿蘇は世界文化遺産登録に向け、2009年に阿蘇世界文化遺産推進室を立ち上げており、調査や保全方法の検討、情報発信などを行っているところです。
応募者が阿蘇を選んだ理由としては、「阿蘇山とそれを取り巻く一面の草原がとても雄大で美しい」「2年ほど熊本に住んでいましたが、芝生のような阿蘇山は絶景で、かつ、湧水はとても清らかで人類の誇りとなるものです」といったコメントがありました。
4位 彦根城(滋賀県)
1622年に完成。天守などが国宝に指定されている彦根城が4位です。小高い山の上に建てられ、天守閣からは琵琶湖が一望できます。
彦根城は、世界文化遺産の暫定リストに記載されています。しかし国内の類似した世界遺産として「姫路城」がすでに登録されていることなどから、彦根城の登録が難しくなっているとも言われています。
応募者が彦根城を選んだ理由としては、「以前旅行で行った際に感動しました。お城としての保存状態が非常に素晴らしく、現時点でも彦根城の天守閣は国宝に指定されている素晴らしい城です」「泰平の時代における武士の精神をもっと世界に知ってもらいたいから」といったコメントがありました。
5位 東京タワー(東京都)
東京のシンボルとも言われる東京タワーは、開業から60年が過ぎた電波塔です(テレビ放送の送信は東京スカイツリーに移行し、現在はFM放送の電波送信や予備としての役割が主)。とはいえ、世界遺産に登録されているエッフェル塔(1889年に完成)と比べるとまだ新しく、相応の歴史的背景がないといった事情もあってか、東京タワーを世界遺産にという具体的な話は出ていないようです。
応募者が東京タワーを選んだ理由としては、「これぞ東京の象徴。認知度も高いし後々まで残って欲しい」「電波塔としての役目は終えましたが、フォルムは秀逸だと思います」といったコメントがありました。
世界遺産にしたい場所や理由が面白かった応募
上に取り上げた場所以外にも、たくさんのスポットに応募がありました。ここでは、選んだ場所や理由が面白かった応募をいくつかご紹介しましょう。
・富士川サービスエリア(静岡県)「何でもある。サービスエリアなのに観覧車?!サービスエリアなのに……ってところもあり楽しませてくれる」
・宝塚大劇場(兵庫県)「私がどんなに落ち込んでいても、宝塚の舞台は私のネガティブ思考をポジティブ思考に変えてくれたり、時には同じ気持ちを表現してくれたり、沢山の夢を見せてくれる日本で一番女性が輝くことができる舞台から」
・河内大塚山古墳(大阪府)「個人的には、今回の登録で松原市の河内大塚山古墳も含まれてほしかったです。」
・若戸大橋(福岡県)「昭和37年に完成して、私の年齢と一緒だから」
・福岡歴史の町 忍者村跡地(福岡県)「当時戦に使われていた土地で忍者村があったころから忍者(亡霊)の目撃情報が多いため」
・日本全土「日本全土 国土全体 地域全体 素晴らしいところだらけ」
今回阪急交通社が行ったキャンペーンでは、やはり地元のスポットや、思い出のあるスポットを挙げる方がたくさんいらっしゃいました。次の旅行はどこにしようかと悩んでいる方は、今回取り上げたような場所も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。その場所が持つ歴史はもちろん、そこに住む人たちにとってその場所はどのような存在なのか、どのように愛されているのかといったことを考えてみると、旅行もまた一層楽しくなるかもしれません。