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佐世保湾に浮かぶ十字架を頂いた神秘の小島をスケッチ【半島をゆく 西彼杵・島原半島 特別編1】

『サライ』本誌連載「半島をゆく」の装画を担当している日本画家・北村さゆりさんによる、取材同行エッセイをお届けします。

文・画/北村さゆり

長崎県西彼杵半島の西海市にある横瀬港から出発する遊覧船で、佐世保湾を新西海橋付近まで行った。

「八の子島を海上から見られる機会は滅多にない」と、案内してくださる方々が口々に言う。かつてポルトガル船がここを行き来した。450年前、大型のナウ船の乗組員も、この景色を見たに違いない。

(スケッチと実写の八の子島) 船上から見た八の子島。山頂の十字架が往時の雰囲気を醸し出す。

船上から見た八の子島。山頂の十字架が往時の雰囲気を醸し出す。

勢いよく走る船上からは、入り組んだ海岸線が動いていく。風景をスケッチすると、どんどん変わっていくのが面白かった。

(スケッチと実写の八の子島) 船上から見た八の子島。山頂の十字架が往時の雰囲気を醸し出す。

丘の傾斜に沿うように見慣れない構造物が目に入ってきた。ゆでぼし大根の干場だそうで、ここで茹でた大根を干すそうだ。

昼食時に立ち寄った「海の驛 船番所」で購入しようと思ったら、季節外れで店頭にはなかった。残念に思っていたが、西海市の方々の特別の計らいでわけていただいた。

ゆで干大根作業風景(ゆでるところ)

ゆで干大根作業風景(ゆでるところ)

西海市名産の「ゆでぼし大根」は、千切りにした大根を一度茹でてから乾燥させたものだ。

西海市名産の「ゆでぼし大根」は、千切りにした大根を一度茹でてから乾燥させたものだ。

東京に戻ってインターネットで検索すると調理法は切り干し大根と同じだという。切り干し大根より褐色がかっていて、若干半透明。水で戻す時間は切り干しより短い。サラダにしてみると、甘みがありソフトな歯ごたえを楽しめた。

西海市のゆでぼし大根は、植物繊維とカルシウム豊富で、調理時間が節約できる重宝な乾物だった。


文・画/北村さゆり
昭和35年、静岡県生まれ。日本画家。『利休にたずねよ』『三鬼』など小説の挿絵も担当。著書に『中世ふしぎ絵巻』など。

http://kitamurasayuri.jp/profile

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