文・写真/佐竹敦

栃木県矢板市にある「おしらじの滝」は、そのコバルトブルーの滝壺を一目見たならば時が過ぎるのも忘れて魅入ってしまうほどの美しい滝です。

実はこのおしらじの滝は、滝へと至るちゃんとした道もありません。さらに常時水量不足の滝であり、何日も雨が降り続くなど条件に恵まれない限り、水が流れている姿を見ることができない滝でもあるのです。私が訪ねた時も、雨後に訪ねたにも関わらず、岩が湿っていた程度でした。

滝へと至る道がない、水が流れてないと「ないない尽くし」のこの滝は、まさに“まぼろし滝”という名がぴったりの滝です。

でもこのおしらじの滝の真の魅力は、滅多に流れることがない滝の本体ではなく、コバルトブルーの幻想的な美しさを誇る滝壺のほうにあります。

滝壺は底が見えるほどに透き通っていて、思いの外にかなり深く、見ているといつの間にかに吸い込まれてしまいそうな感覚におそわれます。

さらに日が射すと、太陽の光が反射するなどして実に様々な色に変色し、より一層幻想的な光景を目にすることができます。

あまりの美しさに言葉が出ません。ただため息が出るばかりです。

では日が射している時と射していない時の様子を写真で比べてみましょう。

もう下手な解説は必要ないですね。動画でも見てみましょう!

このおしらじの滝は、コバルトブルーの滝壺はもちろん、周囲の苔むした岩壁や赤みがかった岩盤も相まって、周囲は神秘的で幻想的な空間が広がっています。

車道から5分程度で訪ねることができますので、しっかりと装備を整えて訪ねてみてはいかがでしょうか。

文・写真/佐竹敦
日本全国の即身仏・一之宮・五重塔・三重塔・滝百選・棚田百選・国分寺跡をすべて訪ね歩いた一人旅の達人。テレビチャンピオン滝通選手権出場。主な著書に「この滝がすごい!」「日本の滝めぐり」等。テレビ東京の「厳選!いい宿ナビ」のコラム執筆、@nifty温泉の記事執筆等、ライターとしても各メディアで活躍中。

 

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