「青春18きっぷ」だけを使って行ける日本縦断の大旅行を企てた、58歳の鉄道カメラマン川井聡さん。南九州の枕崎駅から、北海道の最北端・稚内駅まで、列車を乗り継いで行く日本縦断3233.6kmの9泊10日の旅が始まった。

4日目は名古屋駅から出発だ。

3日目《宮島口駅~名古屋駅》の様子はこちらから!

 

「青春18きっぷ」で行ける日本縦断列車旅《4日目》のルート

《4日目》名古屋 8:06 ~ 恵那 9:10

「朝起きて一日中列車に乗る」、体がそろそろこのリズムになれてきた。

走行距離546.8kmを走り抜けた昨日の“修行”コースと異なり、今日からはかなりゆったり型の旅だ。電車の速度もさることながら、本数が少なくなるため、乗り換えにも相当時間をとられるのである。

今日目指すは、長野発16:30分の飯山線・越後川口行き。名古屋からは約300km。飯山線のどこかの駅まで行く予定だ。

目的地に用事があるのなら、はやく着くに越したことはないが、なんにも用事が無いのなら、時間がかかったってかまわない。と、なんとなく内田百閒先生のような気分で名古屋を出発。日が暮れる前に宿を決めれば、たぶん大丈夫だろう。

名古屋から中津川までは通勤圏内らしく、電車の本数が多い。午前8時6分の中津川行きに乗車。郊外行きの電車とはいえ、さすがに通勤時間だけあって、名古屋からしばらくは通勤客で満席となった。

8時17分、千種駅到着。窓の外は通勤時間。UVカットガラスはありがたいが、景色はちょっと見えづらい。

中津川の手前、明知鉄道の分岐点となっている恵那駅で下車。なんとなく降りてみたかったので、なんとなく下車。

そこで見かけたのがこの跨線橋。ちょっと変わった形だった。

通路の水平部分が、ちょっとした変わり種。どうも鉄橋のプレートガーターを利用したものなのである。おそらくどこかの廃用品を再生したものらしい。ホームとホームの間に鉄橋が架けられているような珍しいスタイルだ。水平部分はかなり重いのだろうが、相当頑丈な跨線橋である。

頑丈な作りのおかげで、この跨線橋は内部もかなり独特だ。通常は天井部分にがっしり組まれている鉄骨がなく、すっきりした曲線でまとまっている。側面の木の板とともに、旧型の鉄道車両を彷彿とさせるいで立ちだ。曲線を描いて輝く天井が良い感じに艶めかしい。

陸橋に見とれているうちに、接続する明知鉄道のディーゼルカーはすでに出発してしまった。次の列車まで約1時間。それまで待ってるわけにも行かない。

駅の窓口で記念にきっぷを一枚購入。乗車券は懐かしい硬券だった。

《4日目》恵那 9;34 ~ 中津川 9:44

恵那駅での途中下車は約30分。ここから中津川行きに乗車。名古屋からの電車は、長い9両編成でやってきた。

後ろの6両は、2013年まで運行していた座席指定快速「セントラルライナー」用の車両。リクライニングはしないが、車端部にはセミコンパートメントまであり、ちょっと特急気分。じつは初めての乗車なのでとても嬉しい。

とはいえ、座席に腰を落ち着けるまもなく中津川駅に到着した。

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