取材・文/関屋淳子
瀬戸内海に浮かぶ小豆島。岡山、高松などからフェリーで渡るこの島は人口約3万人。温暖な瀬戸内海の気候を活かしたオリーブ栽培が盛んで、国内での栽培発祥地となっています。この小豆島にもいくつかの温泉が湧いています。
まずご紹介するのは、道の駅「小豆島オリーブ公園」にある立ち寄り温泉の『サン・オリーブ温泉』です。高台に建てられた園内にはギリシャ風車が立ち、レストランや宿泊施設も完備しています。
この温泉はなんといっても、内海湾を見下ろす眺望が自慢。泉質は単純性放射能温泉で、神経痛などに効能があります。ハーブガーデン温室やオリーブの路などを散策し、ひとやすみの、ひと風呂もいいものです。
『サン・オリーブ温泉』
香川県小豆郡小豆島町西村甲1941-1 小豆島オリーブ公園内
TEL: 0879-82-2200
FAX: 0879-82-2215
営業時間:12:00~21:45(受付は21:00まで)
料金:大人(中学生以上) 700円、小人(小学生以下) 400円
http://www.olive-pk.jp/map/sunolive.html
次に訪ねたのは、土庄港の近くにある『小豆島温泉 塩の湯』。こちらはその名の通り塩分濃度が高い塩化物泉で、『オーキドホテル』の自家源泉です(日帰り利用可)。打ち身や切り傷などに効能があり、湯上りは温泉で全身がコーティングされているようにぽかぽかが長く続きます。
『小豆島温泉 塩の湯』
香川県小豆郡土庄町甲 5165-216
TEL:0879-62-5001
FAX:0879-62-5005
日帰り入浴料金:大人800円、小人500円(タオル付)
利用時間:15:00~24:00、6:00~9:00
http://www.ohkido.com/index.html
もう1か所、『リゾートホテルオリビアン小豆島』にも源泉があります。約30万年前に降り注いだ雨水が濾過されて湧き出ているもので、pH値9という高いアルカリ性の単純温泉です。皮膚のクレンジング効果が高く、美肌を導く温泉で、保温効果もあります。
露天風呂もあり、ここからの瀬戸内海の夕景は格別のようです(日帰り利用可)。
『リゾートホテルオリビアン小豆島』
香川県小豆郡土庄町屋形崎甲 63-1
TEL:0879-65-2311
日帰り入浴:12:00~20:00(受付最終)
料金:大人800円、小人500円※5才以上(フェイスタオル、バスタオル付)
http://olivean.com/index.html
また小豆島といえば、映画「二十四の瞳」の舞台となった地。昭和29年松竹映画(監督:木下恵介/主演:高峰秀子)のロケに使用された岬の分教場が残り、教室には当時のままの机やオルガンなどが置かれています。実際に使われていた校舎に映画の場面を重ねる人も多いのではないでしょうか。
他にも昭和62年に田中裕子主演による同映画のロケのオープンセットを活用した二十四の瞳映画村もあり、一大観光スポットとなっています。原作者の坪井栄文学館やギャラリー松竹座映画館、さらに第35回日本アカデミー賞で作品賞ほか10冠を獲得した小豆島が舞台の映画「八日目の蝉」の展示もあり、映画ファンにはたまらない場所です。
同じ島内でも異なる泉質の温泉が湧いている小豆島。瀬戸内海の風光明媚な島で、温泉巡りというのもいいものですね。
取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。