青森県三沢市にある「星野リゾート 青森屋」は、良質な温泉と津軽三味線やねぶた囃子などの青森文化を満喫できる宿です。季節により、マグロやホタテといった新鮮な魚介類をはじめとする青森の特産品が膳に並ぶ夕食を味わえることも魅力です。
温泉の泉質はアルカリ性単純温泉で、トロリとした肌触りが特徴で、神経痛や疲労回復などに効能があります。青森ヒバを使った浴槽の内湯と露天風呂、敷地内にはさらに湯治場の面影を残す元湯があり、豊富な湯が溢れています。
露天風呂の湯船は広い池に大きく張り出すようにつくられ、まるで水に浮かんでいるような開放的な感覚が味わえます。冬になると目の前に白銀の世界が広がり、冬の風物詩「ねぶり流し灯篭」が開催されます。
この「ねぶり流し灯篭」では、池の水面にねぶた祭のねぶた灯篭「鍾馗」(しょうき)が浮かびます。これは災難を払う守り神で、ねぶた師の手による渾身のオリジナル作品。その周囲には、願い事が書かれた灯篭も流れています。さらに、笛の生演奏も行なわれ、あたりは幻想的な雰囲気に包まれます。
開催期間は12月~翌年3月で、時間は17時~24時。真冬の夜に、夏のねぶたを体感できる湯浴みを楽しんでみてはいかがでしょうか。
取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。