以前「サライ.jp」でもご紹介した、豪華客船「飛鳥Ⅱ」で行く初の《文楽クルーズ》が、2016年12月20日~22日に行われました。今回はこの画期的なクルーズの模様についてリポートします。(参考記事:「洋上で文楽を観賞する特別な船旅!豪華客船「飛鳥Ⅱ」で行く2泊3日の「文楽クルーズ」)
この文楽クルーズを体験してきたのは、「サライプレミアム倶楽部」会員の山本文宏さん・由美子さんご夫妻(愛知県在住)。ご夫妻は、4年ほど前からクルーズ船に乗り、その魅力の虜になってしまったというクルーズ経験者で、たまたまこの文楽クルーズの1週間前にも飛鳥Ⅱに乗船していたという船旅好きのお二人です。
しかし今回は洋上で文楽公演が楽しめるクルーズということで、これまでにない期待感とのことでした。
夫の文宏さんは、脳卒中の後遺症で左半身に麻痺が残っており、船内では車いすを利用されました。車いすでの移動も無理なくできるのが、クルーズ旅行の利点でもあります。
<20日出港 17時>
乗船は横浜港大さん橋国際客船ターミナル、出港1時間前までに乗船をすませます。豪華客船をバックに記念撮影をしながら乗り込み、2泊3日の文楽クルーズが始まります。
フロントなどがあるメインデッキ5では中央の吹き抜け部分に大きなクリスマスツリーが飾られています。さらに今回はなんと、文楽の人形が乗客をお出迎えしてくれました。和と洋が同居する不思議な雰囲気です。
客室は7~10デッキで、今回宿泊の客室はバルコニー付きのツインルーム。ホテルの客室のようにすべてがシンプルに使いやすく整っています。出港を前に、乗客全員参加で救命具や救命ボートの説明などの避難訓練を行ないます。
その後は、スパークリングワインを手に「セイルアウェイ・パーティー」の始まりです。陽気なバンドに合わせて、乗客の心もウキウキ。桟橋を少しずつ離れる客船に、多くのギャラリーが手を振り、そして手を振り返し。客船独特の出港の瞬間です。
クルーズ初心者にとっては、船内でどのように過ごしたらいいのか、客室の設備はどのようになっているのかという不安がつきものです。そこで初心者向けの船内生活についてのオリエンテーションも行われていますので、参加してみてください。
<20日ディナー 17時30分~・20時~>
本日のディナーはクリスマススペシャルディナー。ドレスアップしてメインダイニングへ。「初めて飛鳥Ⅱに乗った時には、緊張してしまい、あまり楽しめませんでしたが、2回目以降はすっかり飛鳥Ⅱがお気に入りになってしまいました。とくにディナーは楽しみですね」と山本さんご夫妻。
今回はお楽しみのディナーの前に、文楽演者さんらによる鏡開きが行われました。まずは振る舞い酒で乾杯です。
帝国ホテル田中総料理長監修によるスペシャルディナー。前菜・スープ・魚料理・お口直し・メイン・デザートというフルコース。メインは鹿児島県産黒毛和牛のローストビーフ、フォアグラを包んだ錦爽鶏、白菜で巻いたタラのオニオンフォンデュ蒸しの3種類から選びます。
すべてが一流の味で、最初から最後まで満足の連続! 料理に定評がある飛鳥Ⅱならではの実力を感じされる内容です。
<20日プロダクションショー 18時~・20時~>
6デッキにあるギャラクシーラウンジ。ここが明日の文楽公演の舞台になります。今日はその前にダンサーや歌手によるホワイトクリスマスのショーでたっぷり楽しみます。数々の名曲に合わせて繰り広げられる本格的なショーに、体も自然にリズムを刻みます。
さて船内は夜もにぎやか。ダンスタイムやミュージックタイム、カジノコーナーのモンテカルロではスロットマシーンなどを楽しむことができます。
これに加えて今回は文楽クルーズということもあり、吉田玉男さんのナイトトークや文楽写真展、初代・吉田玉男さんの記録映画上映などもあり、明日の公演を盛り上げます。
明日はどんな公演になるのでしょうか。期待感が高まります。(>>2日目のレポートに続きます)
取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。
【クルーズについてのお問い合わせ先】
郵船クルーズ 電話/0570-666-154
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