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暮らし

【老後を自宅で過ごしたいなら】「地域包括支援センター」知っておきたい基本のき

取材・文/坂口鈴香

前回は有料老人ホームやサ高住など、自宅以外の老後の住まいについて解説した。そこで今回は、自宅で老後を過ごすために欠かせない機関「地域包括支援センター」(ちいきほうかつしえんせんたー)の基礎知識について解説しよう。

「地域包括支援センター」というと、親または自分が要介護になってから利用するところだと考えている人もいるかもしれない。そもそも、一般市民が利用するものだと思っていない人もいるだろう。それほど普段は接点がない機関なので、その役割や業務内容について具体的に知っている人はそう多くないのではないだろうか。

「地域包括支援センターって何?」「地域包括支援センターってどんなことをしている?」「どこにある?」……そんな基本的な疑問に、お答えしましょう。いざというときに慌てないよう、きちんと知っておいてください。

■地域包括支援センターの役割

そもそも「地域包括支援センター」とは、地域住民の心身の健康の維持、生活の安定、保健・福祉・医療の向上と増進のために必要な援助や支援を包括的に担う、地域の中核機関である。高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、各市町村に設けられており、介護だけでなく高齢者の生活全般について地域の相談窓口となっている。相談は無料だ。

■地域包括支援センターの業務内容

地域包括支援センターの業務内容は、《包括的支援事業》と《介護予防支援業務》の2つに大別される。それぞれの業務を列挙すると以下のとおりだ。

《包括的支援事業》
(1)総合相談・支援
高齢者や家族から介護や福祉、医療、健康、認知症などさまざまな相談に応じる。

(2)権利擁護
高齢者虐待の早期発見や防止のための支援、成年後見制度の利用方法の紹介、振り込め詐欺や投資詐欺、悪質な訪問販売などの消費者被害の早期発見や防止などを行う

(3)介護予防ケアマネジメント
要介護状態などになるおそれのある高齢者に対して、適切な予防事業が提供されるよう、本人やそのほかの状況に応じてケアプランの作成などを行う

(4)包括的・継続的ケアマネジメント支援
地域の医療・介護関係者間の連携体制の構築、ケアマネジャーへの支援、支援が困難な場合の指導や助言を行う

《介護予防支援業務》
要支援認定(要支援1・2)を受けた人のケアプラン作成など必要な支援を行う

そのほか、介護保険の申請代行、その人に合ったケアプランを作成するケアマネジャーを探すサポート、配食サービスや介護予防事業など各自治体が独自に行っている事業の説明や申し込み代行などもしている

また、「近所の独り暮らしのお年寄りが、何か様子が変だ。もしかしたら認知症では?」などというときでも地域包括支援センターに一報を入れると対応してくれる。

このように、地域包括支援センターが扱う内容は実に幅広い。自分や自分の家族のことだけに限らず、介護や福祉、医療などについて「どこに相談したらいいのかわからない」という場合にはまず最寄りの地域包括支援センターに相談してみると良い。

窓口に行くことができない場合は、電話相談も受け付けているし、必要に応じて自宅などへ訪問もしてくれる。

■どんな人を対象としているのか

その地区に住む高齢者本人やその家族、地域住民

■どこにある?

おおむね市区町村の中学校区ごと(またはそれを目標として)に設置されている。全国で見ると、平成24年時点で約4,300か所、ブランチ(支所)を含めると7,000か所以上設置されている。

■どんな職員がいる?

主任ケアマネジャーや保健師、社会福祉士などの専門職が、その専門知識や技能を活かしながら、チームとして総合的に高齢者を支えている。

主任ケアマネジャーとは、ケアマネジャーとして一定の実務経験と研修を修了した専門職で、地域のケアマネジャーのまとめ役的存在だ。

■相談日と時間

時間は各市区町村によって多少の違いはあるが、月曜日から金曜日(または土曜日)。午前9時から午後5時(または午後6時)くらいまで。日曜、祝日、年末年始は休業。土曜日は時間が短かったり、休業したりと、市区町村によってまちまちだ。

*  *  *

以上、今回は老後を在宅で送るためには欠かせない「地域包括支援センター」についてご紹介した。

もし高齢の親がいるのなら、今はとくに気になることがなくても、親の住む市区町村の地域包括支援センターに行ってみることをおすすめする。先述したように、おおむね中学校区ごとに設置されているので、親の住む地域を担当する地域包括支援センターがどこなのか、あらかじめ調べておこう。市区町村のホームページに掲載されているほか、市役所の高齢者担当課に問い合わせれば教えてくれる。

なお、「高齢者なんでも相談室」「高齢者相談センター」「あんしん長寿相談所」「長寿サポートセンター」など、自治体が独自の名称をつけている場合もある。それが地域包括支援センターなのかわからない場合もあるので、問い合わせるときには「地域包括支援センターはどこにありますか?」と聞けば良い。

担当となる地域包括支援センターを訪問した際には、担当職員に親や自分の情報、少しでも気になることがあればそのことを伝えておけば顔つなぎになるし、今後何かあったときに対応がスムーズに進む。

また地域包括支援センターには介護保険のパンフレットや、自治体が独自に行うサービスをまとめたパンフレットなどが置いてあるので、もらっておいて一読しておくことをおすすめする。

取材・文/坂口鈴香
終の棲家や高齢の親と家族の関係などに関する記事を中心に執筆する“終活ライター”。訪問した施設は100か所以上。20年ほど前に親を呼び寄せ、母を見送った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて探求している。

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