チャットは、メールと電話や会話とのちょうど中間的な存在です。音声と違い文字によるやり取りですから、会話よりは遅いものの、メールよりはスピード感があり、履歴も残せます。
Googleチャットは、グループやチームのためのダイレクトメッセージ機能やチャットルーム作成機能を持ち、Google Driveのコンテンツの共有や、Zoomのようなビデオ会議アプリであるGoogle Meet への切り替えなどがとても簡単にできます。今回は「Googleチャット」について解説します。
目次
Googleチャットとは
Googleハングアウト、Google Meetとの違いは?
Googleチャットの始め方
Googleチャットでできること
まとめ
「Googleチャット」とは?
Googleチャット(Google ChatまたはChat、旧称:Hangouts Chat)は、Googleが開発したコミュニケーション用のアプリケーションソフト(アプリ)です。Google Chromeなどのブラウザか専用アプリで使用します。
Googleチャットに似たようなアプリにはMicrosoft Teamsや Slack などがありますが、それらをあまり知らないという方は、LINEをビジネス寄りに機能を拡張したようなアプリとイメージしてもらうと近いかもしれません。
Googleハングアウト、Google Meetとの違いは?
Googleチャットに似た、Google ハングアウトというアプリがありますが、現在はこの「Googleチャット」と「Google Meet」が、Googleハングアウトの後継アプリとなっています。
また、当初は Google Workspace (2020年10月以前まではG Suiteと呼ばれていた)の顧客のみがこのサービスを利用できましたが、現在では完全に無料で利用できるようになっています。
Googleハングアウトとの違い
以前は「ハングアウトならLINEのように既読と未読がわかるが、Googleチャットではわからない」といった機能の違いがありました。しかし、この記事を執筆している2021年11月時点では、ハングアウトとGoogleチャットの統合はほぼ完了しているようです。ブラウザ版やスマホアプリのハングアウトはまだ入手できますし、ブラウザ版のGmailの左サイドバーにはMeetの下にまだ「ハングアウト」と表示されていますが、完全にGoogleチャットと同期されています。Googleの方針からすれば、いずれチャットと名前が変わるのではないかと思います。
先ほどのチャットの既読と未読の違いも、すでに相手のアイコンの位置でわかるようになっています。
Google Meetとの違い
先述しましたが、Google Meetは、Zoomのようなビデオ会議アプリです。このアプリの中にもチャット機能はありますが、ベースはあくまでもリアルタイムでお互いの顔を見ながら会話ができるアプリということになります。
Google Meetには、Hi-Fiオーディオのグループビデオ会議、画面共有、自動字幕起こしの機能があります。Google Workspaceというサービスを利用している方は、そのエディションによって、250 人まで参加可能な大規模会議、会議の録画、ドメイン内でのライブ ストリーミングなどの高度な機能も利用できます。
一方、Googleチャットは、文字を使ったコミュニケーションアプリで、ダイレクト メッセージ、グループ チャット、その他の高度な機能(スペース、chat bot、優れた検索機能など)があります。
ちなみにサービス名に含まれる meetとchat を翻訳すると、「meet」は「会う」で、「chat」は「おしゃべり」という意味です。文字のことをパソコン(PC)の世界ではテキストと呼びますので、テキストチャットツールと呼ぶこともあります。
「Googleチャット」の始め方
GoogleチャットはPCならブラウザかデスクトップアプリで、スマホならスマホアプリで利用できます。いずれも多少のデザインの違いはありますが、使い勝手はほぼ同じです。
ブラウザで利用する
パソコンでは以下の方法で Googleチャット を開くことができます。
ブラウザでGoogleアカウントにログインした状態で右上の部分(アプリランチャー)をクリックすると、「チャット」と書かれたアイコンがあります(見当たらなければスクロールしてみてください)。
Googleチャットのホーム画面に移動します。特に設定をすることはなく、このままGoogleチャットを操作することが可能です。
コミュニケーションを 1 か所でまとめて行うには、ChromeブラウザのGmail内のGoogleチャットまたはハングアウトを使用します。先述のとおり、ハングアウトとGoogleチャットは同期しています。
スタンドアロン(デスクトップアプリ)のGoogleチャットアプリを使用することもできます。アプリのインストールは歯車のアイコンからできます。
GmailのサイドバーにMeetとGoogleチャットまたはハングアウトが表示されない場合は、Gmailの設定でそれらが有効になっていることを確認します。また、職場または学校でGmailを利用している場合は、管理者側でもGoogle Meetと Googleチャットを有効にしておく必要があります。
スマホのアプリから開始する
Googleチャットは、スマートフォンからも利用することができます。
Google Play Store(Android)またはApp Store(iPhone)で「Google チャット」を検索すると、スマホアプリをインストールすることができます。
Googleチャットのスマホアプリとブラウザ版の基本的なチャット操作は大きな違いはありません(以前はスマホアプリにはできないことがありました)。
個人とやり取りする場合
Googleチャットの開始方法をご紹介します。まず、Googleアプリをクリックし、Googleチャットを選択します。
Googleチャットのホーム画面が表示されたら、「チャットとスペースを検索」をクリックし、チャットを開始したい相手のユーザー名またメールアドレスの一部を入力し、メンバー名をクリックします。
この際、相手もGoogleアカウントを持っていて、Googleチャットが使えるようになっている必要があります。
メッセージを入力し「メッセージを送信」をクリックします。
メッセージに誤字があった場合など、一度送信したメッセージであっても、内容を修正したり、メッセージそのものを削除することができます。メッセージにポインターを合わせ、鉛筆アイコンをクリックして修正したり、ゴミ箱アイコンをクリックして削除します。
グループでやり取りする場合
以前、チャットルームと呼ばれていたグループでやりとりする場所は、現在スペースと呼ばれています。
スペースではチームのメンバーと会話したりアイデアを出し合ったりすることができます。同僚とチャットするだけでなく、ファイルやその他のオンラインリソースを共有して、チーム プロジェクトに共同で取り組むことも可能です。
スペースでは、各会話が個別のスレッドにまとめられるため、複数のテーマについてチームで同時に話し合うことができます。
- スペースを作成するには、Google チャットまたはGmail にアクセスします。
- [スペース] の横にある「スペースを作成または検索」アイコン [スペースを作成] をクリックします。
- スペース名を入力します。
- (省略可)左上の絵文字選択アイコン をクリックします。絵文字を選択しなかった場合は、デフォルトのアバターが使用されます。
- 追加するユーザーまたはグループの名前またはメールアドレスを入力します。表示された候補から選択することもできます。
- [作成] をクリックします。
「Googleチャット」でできること
GoogleチャットはPCでもスマホでも、ほぼ同じような使い勝手で、簡単にいろいろな機能が使えます。
ファイルの共有
ファイルのアップロードアイコンやGoogleドライブファイルを追加アイコンからファイルを共有することができます。スペースの場合、ファイルタブを選ぶと共有されたファイル一覧が見られます。
タスクの割り当て
「タスクを追加」をクリックすると、メンバーにタスク(仕事)を割り当てることができます。
絵文字(スタンプ)
チャットの文字入力画面で「絵文字を追加」アイコンをクリックすると絵文字を挿入することができます。
まとめ
LINEアプリでもGoogleチャットと同じようなことができますが、ファイルのサイズや期限に関しての制限や実務で使えるサービスとの連携という点においては、圧倒的にGoogleチャットに軍配が上がると思います。Googleのサービスを使いこなしたい方にはお勧めです。
●執筆/田尻 良(たじり りょう)
1983年、アルバイト先のために独学でレジ清算プログラムを作成。まだ白のマスクしか無い2006年にプリント柄のマスクカバーを発表。任天堂DS用ソフト「介護ナビDS」やインフルエンザ検定試験などを企画。依頼された人事管理システムを作るため、50歳から新たにコンピュータ言語を習得し構築。誰にでもわかりやすく教える能力が評価され、コンピュータ専門学校と短大にてプログラミングや情報システム論などを教えている。ノーネクタイ用アクセサリ「プラケッティ」を企画中。
株式会社ケッツ(https://kets.co.jp)
●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com